今回は、Sia(シーア)の
- Big Girls Cry(ビッグ・ガールズ・クライ)
を和訳します。
タイトルにある「Big Girl」の意味は「大人の女」です。
具体的には、女の子に対して「もう大人だ」と褒めるときや、自分自身に対して女性が
- もう子どもじゃなくて大人なんだから、自分でできる
と言い聞かせるような表現になります。
ここでは自分自身を「Big Girl」と鼓舞しながら、それでも心が傷つき泣いてしまうという精神的な弱さを吐露する内容になっています。
- 頼れるのは自分だけ
- 他人に甘えてはいけない
- 頑張らなくてはいけない
と疲弊している大人の女性にぜひ聞いてほしい一曲です。
Sia(シーア)とは?
Sia(シーア)は、1975年生まれのオーストラリアの歌手・ソングライターである。
1990年代中期、アシッドジャズバンド・クリスプのボーカルとして活動し、1997年にバンド解散した。
2011年人気DJデヴィッド・ゲッタとのコラボ曲『タイタニウム』が大ヒット。
2012年、ニーヨと共作した『Let Me Love You (Until You Learn to Love Yourself)」が全英シングルチャートで1位を獲得。
2014年、6枚目のアルバム『1000 フォームズ・オブ・フィアー』を発表。
『シャンデリア』が世界的ヒットとなり、グラミー賞において最優秀レコード賞を含む4部門にノミネートされた。
Big Girls Cry(ビッグ・ガールズ・クライ)という曲について
Big Girls Cry(ビッグ・ガールズ・クライ)は、2014年に発売されたSia(シーア)のアルバム「1000 Forms of Fear」に収録されている。
シングルとしては、オーストラリアとヨーロッパのみでリリースされた。
MVは『シャンデリア』と同じく、肌色のレオタードと金髪のウィッグをつけたマディー・ジーグラーのパフォーマンスが中心となる。
途中で背後から加わる手は、シーア自身のもの。
監督を務めたのも『シャンデリア』と同じくダニエルアスキルである。
Big Girls Cry(ビッグ・ガールズ・クライ)の歌詞
Tough girl in the fast lane
No time for love, no time for hate
No drama, no time for games
Tough girl whose soul achesI'm at home, on my own
Check my phone, nothing, though
Act busy, order in
Pay TV, it's agonyI may cry ruinin' my makeup
Wash away all the things you've taken
And I don't care if I don't look pretty
Big girls cry when their hearts are breaking
Big girls cry when their hearts are breaking
Big girls cry when their heart is breakingTough girl, I'm in pain
It's lonely at the top, black outs and airplanes
And I still pour you a glass, of champagne
Tough girl whose soul achesI'm at home, on my own
Check my phone, nothing, though
Act busy, order in
Pay TV, it's agonyI may cry ruinin' my makeup
Wash away all the things you've taken
And I don't care if I don't look pretty
Big girls cry when their hearts are breaking
Big girls cry when their hearts are breaking
Big girls cry when their hearts are breakingI wake up, I wake up, I wake up, I wake up, I wake up,
I wake up, I wake up, I wake up, I wake up
I wake up, I wake up, I wake up, I wake up
AloneI may cry ruinin' my makeup
Wash away all the things you've taken
And I don't care if I don't look pretty
Big girls cry when their hearts are breaking
Big girls cry when their hearts are breaking
Big girls cry when their heart is breaking
Big Girls Cry(ビッグ・ガールズ・クライ)の和訳
厳しい世界で生きる 強い少女
恋する時間も 恨む時間もなく
ドラマもなければ ゲームの時間もない
魂を痛めてる 強い少女
*
家の中で ひとりで過ごす
電話をチェックしても 連絡はなく
忙しいフリして ピザを頼んで
ケーブルテレビを見る すごく苦しい
*
泣いてしまうかも メイクはぐちゃぐちゃ
あなたが奪ったもの全部 洗い流して
可愛くなんかなくても 気にしない
大きな少女は泣く 心がつらすぎて
大きな少女が泣く 心がつらすぎて
もう大人なのに泣いてしまう 心がつらすぎて
*
強い少女 傷ついてる
頂点にいるのは孤独 意識は飛ぶし 飛行機ばかり
そしてまだ あなたにシャンパンを注いでる
魂を痛めてる 強い少女
*
サビ繰り返し
*
目がさめて ひとりぼっち
和訳のチェックポイント(単語・文法解説など)
以下、和訳のチェックポイントをまとめておく。
Tough girl in the fast lane
厳しい世界で生きる 強い少女
No time for love, no time for hate
恋する時間も 恨む時間もなく
No drama, no time for games
ドラマもなければ ゲームの時間もない
Tough girl whose soul aches
魂を痛めてる 強い少女
単語は
- in the fast lane「競争の激しい生活をして」
- hate「嫌悪」
- ache「痛む、うずく」
この時期のシーア自身がヒット曲の連続で、多忙な日々を送っていたことも関係するのかもしれない。
I'm at home, on my own
家の中で ひとりで過ごす
Check my phone, nothing, though
電話をチェックしても 連絡はなく
Act busy, order in
忙しいフリして ピザを頼んで
Pay TV, it's agony
ケーブルテレビを見る すごく苦しい
単語は
- on my own「一人で」
- order in「(ピザの)出前を取る」
- pay TV「有料テレビ」
- agony「苦しみ」
である。
「on my own」は「alone」「by myself」と比較して
- 自力で
- 誰にも頼らずに
というニュアンスがあるため、ここでは孤独よりも「自活して一人暮らしをしている」様を表すと考えた。
だが、色々と自分を騙すように工夫をしても
- agony「激しい苦しみ」
が露呈してしまうという流れでサビに続く。
I may cry ruinin' my makeup
泣いてしまうかも メイクはぐちゃぐちゃ
Wash away all the things you've taken
あなたが奪ったもの全部 洗い流して
And I don't care if I don't look pretty
可愛くなんかなくても 気にしない
単語は
- ruin「崩壊する」
「all the things(you've taken)」で「you」の前に関係詞が省略されている。
張り詰めていた気持ちが弾けて、涙を流しそうになる。
誰の目も気にせずに感情を爆発させている様。
Big girls cry when their hearts are breaking
大きな少女は泣く 心がつらすぎて
Big girls cry when their hearts are breaking
もう大人なのに泣いてしまう 心がつらすぎて
ここでの「big girl」はあえて
- 大きな少女
と直訳した。
また意訳として「もう大人なのに泣いてしまう」と補足も行った。
- 強くならないといけない
- 一人で生きていけないといけない
- 誰にも甘えてはいけない
自分を「big girl」と表現することで「もう大人なんだから」と鼓舞しつつも「まだ大きな少女なんだ」という自分自身の弱さを認めるようなフレーズと解釈した。
Tough girl, I'm in pain
強い少女 傷ついてる
It's lonely at the top, black outs and airplanes
頂点にいるのは孤独 意識は飛ぶし 飛行機ばかり
「It's lonely at the top」は社会的な成功をおさめることで、普通の生活を捨て「孤独」に苛まれる自分自身の心境ともいえる。
同様に、世界中を飛び回りツアーを行っている(=移動は主に飛行機)疲弊した様を表現しているといえる。
And I still pour you a glass, of champagne
そしてまだ あなたにシャンパンを注いでる
シーア自身は、2010年にアルコール中毒から抜け出したことを公言している。
が、それでも愛する人にシャンパン(酒)を注いでしまう(=どこかに自分の弱さが残っている)ことをほのめかしている。
まとめ
ということで今回は、Sia(シーア)の
- Big Girls Cry(ビッグ・ガールズ・クライ)
を和訳しました。
この曲、すごく好きなんですよね。
脆くて今にも崩れてしまいそうな精神状態を「big girl」と自分に言い聞かせることで封じている、でもやっぱり泣いてしまうんだ、というサビ。
体は大人になっても、歳を重ねても。
人が、誰にも頼らず一人きりで生きていくことは、すごく難しい。
そういった弱さをむき出しにしてる。
MVのマディー・ジーグラーのパフォーマンスも素晴らしいですよね。
MVを含めて『シャンデリア』と同じくらい好きなんですが、日本ではあまりに知名度ない曲かもしれません。
ぜひ多くの人に知ってほしい曲です。