今回は、Elton John(エルトン・ジョン)の
- クロコダイル・ロック(Crocodile Rock)
の歌詞を和訳します。
「クロコダイル・ロック」というのは、歌詞の中の主人公が子供の頃に、夢中になったという架空の曲の名前です。
その他、曲中には実在する曲名もいくつか登場します。
またこの曲自体は
- Daddy Cool’s “Eagle Rock”
- Neil Sedaka’s “Oh! Carol,”
などにインスパイアされたものだといわれています。
全米1位を獲得した大ヒット曲ですが、エルトン・ジョン自身は「使い捨てのポップ」と揶揄していて
I wouldn’t like in 15 years' time to still be playing “Crocodile Rock.”
15年経っても「クロコダイルロック」を演奏したくない
と語っており、メロディーよりも歌詞のメッセージに注目してほしいそうです。
主人公がロックンロールが流行っていた少年時代や、淡い恋の思い出を振り返るという内容で、胸にグッとくるものがあります。
Elton John(エルトン・ジョン)とは?
Elton John(エルトン・ジョン)は、イギリスのミュージシャン、シンガーソングライター。
1969年にソロ・デビューし、翌年1970年に『僕の歌は君の歌」でヒットする。
作曲は自身によるものだが、作詞に関してはデビュー以降バーニー・トーピンが担当している。
70年代の全盛期を追えて、80年代後半から90年代前半にかけては楽物依存症やアルコールで苦しむ日々を送っていた。
が、依存症を乗り越えて90年代後半には映画『ライオン・キング』のサントラなど多くの仕事で成功している。
グラミー賞は5回受賞、34回ノミネーションされている。
クロコダイル・ロック(Crocodile Rock)という曲
クロコダイル・ロック(Crocodile Rock)は、1972年に発表されたエルトン・ジョンの楽曲。1973年のアルバム『ピアニストを撃つな!』の先行シングルとして発売された。
同アルバム名は、1960年フランソワ・トリュフォーのフランス映画『ピアニストを撃て』のパロディになっている。
作曲はエルトン・ジョン、作詞はバーニー・トーピンが務める。
全米シングルチャートで、初の1位を3週連続キープした曲でもある。
クロコダイル・ロック(Crocodile Rock)の歌詞
I remember when rock was young
Me and Suzie had so much fun
Holding hands and skimming stones
Had an old gold Chevy and a place of my own
But the biggest kick I ever got
Was doing a thing called the Crocodile Rock
While the other kids were Rocking Round the Clock
We were hopping and bopping to the Crocodile RockLaaaaaaaa lalalala laaaa lalalala laaaa lalalala laaaaa
Well Crocodile Rocking is something shocking
When your feet just can't keep still
I never knew me a better time and I guess I never will
Oh Lawdy mama those Friday nights
When Suzie wore her dresses tight
And the Crocodile Rocking was out of sightLaaaaaaaa lalalala laaaa lalalala laaaa lalalala laaaaa
But the years went by and the rock just died
Suzie went and left us for some foreign guy
Long nights crying by the record machine
Dreaming of my Chevy and my old blue jeans
But they'll never kill the thrills we've got
Burning up to the Crocodile Rock
Learning fast as the weeks went past
We really thought the Crocodile Rock would lastLaaaaaaaa lalalala laaaa lalalala laaaa lalalala laaaaa
Well Crocodile Rocking is something shocking
When your feet just can't keep still
I never knew me a better time and I guess I never will
Oh Lawdy mama those Friday nights
When Suzie wore her dresses tight
And the Crocodile Rocking was out of sightLaaaaaaaa lalalala laaaa lalalala laaaa lalalala laaaaa
クロコダイル・ロック(Crocodile Rock)の歌詞和訳
覚えてるぜ ロックの青春時代
俺とスージーは すごく幸せだった
手を取り合って 川に石投げて
古い金色のシボレーとか
俺の居場所があったんだ
でも 何より興奮したのは
クロコダイル・ロックと呼ばれてたアレをすることだった
他のガキがロック・アラウンド・ザ・クロックにハマってた頃
俺たちはクロコダイルロックで踊り狂ってた
*
そうさ クロコダイル・ロックは
ビックリするほど凄いんだ
お前の足だって動かずにはいられない
アレよりいい時間を俺は知らないし これから先もないと思う
ああ ラウディ・ママと金曜の夜
スージーがピチピチのドレスを着てたときも
クロコダイル・ロックは最高だった
*
だけど時は流れて ロックは死んだ
スージーは俺の元を去り 外国の男を追っかけた
長い夜を レコードの傍で泣きながら過ごし
夢見たんだ
あのシボレーと履き古したブルージーンズを
*
でも あの興奮は絶対に消せないぜ
クロコダイルロックに夢中になって
時流れるにつれ あらゆることを学んださ
俺たちは本気で思ってた
クロコダイル・ロックは永遠だって
*
繰り返し
和訳のチェックポイント(単語・文法の解説)
以下、和訳のチェックポイントをまとめておく。
I remember when rock was young
覚えてるぜ ロックがの青春時代
Me and Suzie had so much fun
俺とスージーは すごく幸せだった
Holding hands and skimming stones
手を取り合って 川に石投げて
Had an old gold Chevy and a place of my own
古い金色のシボレーとか 俺の居場所があったんだ
単語は
- hold hands「手をつなぐ」
- skim stones「石切りをする」
- chevy「シボレー(アメリカの自動車メーカーの名前)」
である。
自分の青年時代と、まだ新しい音楽として若者の間でロックが流行っていた時代が被っていたことが仄めかされてる。
But the biggest kick I ever got
でも 何より興奮したのは
Was doing a thing called the Crocodile Rock
クロコダイル・ロックと呼ばれてたアレをすることだった
While the other kids were Rocking Round the Clock
他のガキがロック・アラウンド・ザ・クロックにハマってた頃
We were hopping and bopping to the Crocodile Rock
俺たちはクロコダイルロックで踊り狂ってた
単語は
- kick「刺激、興奮」
- hop「飛び跳ねる」
- bop「踊る」
「Rocking Round the Clock(ロック・アラウンド・ザ・クロック)」は1954年にリリースされたBill Haley & His Cometsの楽曲。
ロックンロールのかなり早い時期に、若者の間で人気が出た曲。
(聴いたことがある人も多いかもしれない)
他の子どもと違って、自分たちはクロコダイル・ロックに夢中だった。
当時、恋していたスージーと自分だけの特別な曲というような思い入れも伝わってくる部分。
Well Crocodile Rocking is something shocking
そうさ クロコダイル・ロックは
ビックリするほど凄いんだ
When your feet just can't keep stillお前の足だって動かずにはいられない
I never knew me a better time and I guess I never willアレよりいい時間を俺は知らないし これから先もないと思う
Oh Lawdy mama those Friday nights
ああ ラウディ・ママと金曜の夜
When Suzie wore her dresses tightスージーがピチピチのドレスを着てたときも
And the Crocodile Rocking was out of sight
クロコダイル・ロックは最高だった
「Lawdy mama」は「Hey Lawdy Mama」という曲の名前で、1934年のジャズソングである。
「out of sight」は「見えないところに、素晴らしい」という意味。
ここではスージーと最高の夜を過ごしたときのことを思い出している。
そのときもクロコダイル・ロックが実際に流れていたのかもしれない。
が、前文にジャズの曲名が書かれていることと「out of sight」からムードのある大人な雰囲気でも、あのとき俺たちの心の中には最高のクロコダイルロックが流れていたんだ、という解釈もできる。
But the years went by and the rock just died
だけど時は流れて ロックは死んだ
Suzie went and left us for some foreign guy
スージーは俺の元を去り 外国の男を追っかけた
Long nights crying by the record machine
長い夜を レコードの傍で泣きながら過ごし
Dreaming of my Chevy and my old blue jeans
夢見たんだ
あのシボレーと履き古したブルージーンズを
「the rock just died」は「ロックが死んだ(廃れた)」ということ。
1950年代半ば(歌詞の主人公がティーンの頃)に現れて人気を博したロックンロールが、この曲が書かれた1970年代で流行りのピークを終えていたことがわかる。
恋人だったスージーもいなくなり、自分にとって居心地の良かった思い出の品も古びて失われていく様を嘆いている。
But they'll never kill the thrills we've got
でも あの興奮は絶対に消せないぜ
Burning up to the Crocodile Rock
クロコダイルロックに夢中になって
Learning fast as the weeks went past
時流れるにつれ あらゆることを学んださ
We really thought the Crocodile Rock would last
俺たちは本気で思ってた クロコダイル・ロックは永遠だって
単語は
- burn up「ぱっと燃え上がる」
- past「通り過ぎる」
- last「続く」
青春時代に大切にしていた、あらゆるものが時の流れの中で失われていく。
そして俺たちも色々なことを学んで、大人になっていく。
でも、絶対にあの興奮は失われない。
どれだけ時が流れても。
俺があのとき感じた興奮はこれから先も胸の中に残り続ける、だからクロコダイル・ロックは永遠なんだという意。
和訳した感想
ということで今回は、エルトン・ジョンの
- クロコダイル・ロック(Crocodile Rock)
を和訳しました。
エルトン・ジョンの曲は、何度も聴くほど好きになる曲が多いですね。
アップテンポの激しい曲ではありますが、歌詞は懐古的で胸に染みいるものがあるというギャップも印象的でした。
クロコダイル・ロックは実在する曲ではありません。
だからこそ「一体それはどんなロックだったのか」と聞き手の興味や想像力を掻き立てるという点でも、歌詞として秀逸だなと感じました。
エルトン・ジョンの曲の和訳は「バーニー・トーピンはいい歌詞を書くな~」という気づきがあって益々と曲が好きになれるので、非常に楽しいですね。