今回は、Taylor Swift(テイラー・スウィフト)の
- New Romantics(ニュー・ロマンティックス)
タイトルの「New Romantics」は文学における
- ロマン派(Romantics)
ロマン主義は、感情とりわけ「愛」を重要視して「恋愛賛美」を特徴の1つとしていました。
しかしこの曲で
- 新しいロマン派(New Romantics)
彼女と同じ(80~90年代に生まれた)女性たちが、盲目的な恋に溺れることなく
- 主体的に恋のスリルを楽しむ
一言で説明するなら
THE肉食女子のテーマソング
といった感じになりますが、彼女の今までの曲を理解したうえで聴くと味わい深いものもあります。
Taylor Swift(テイラー・スウィフト)って?
テイラー・スウィフト(Taylor Swift)はアメリカン合衆国のシンガーソングライター。1989年12月13日生まれ。
2006年(17歳)でアルバム『Taylor Swift』をリリース。
翌年の2007年、3枚目のシングル「Our Song」が大ヒットを記録、カントリーチャートで6週連続1位を記録した。
2008年には、セカンド・アルバム『Fearless』をリリース。
1週間で59万2000枚売り上げ、2009年の全米でトップセールスアルバムとなった。
実体験を基にしたリアルな曲は、多くの女性ファンを魅了し、今もなお世界中のファンに愛されているアーティストの1人。
New Romantics(ニュー・ロマンティックス)という曲
テイラー・スウィフトの2014年にリリースされた5枚目のアルバム「1989」に収録されている楽曲の1つこの曲は2016年、シングル曲として発売された。
日本でも「テラスハウス(シーズン2・3)」でOP曲として使用されていた。
New Romantics(ニュー・ロマンティックス)の歌詞
We're all bored
We're all so tired of everything
We wait for
Trains that just aren't coming
We show off
Our different scarlet letters
Trust me, mine is betterWe're so young
But we're on the road to ruin
We play dumb
But we know exactly what we're doing
We cry tears
Of mascara in the bathroom
Honey, life is just a classroom'Cause, baby, I could build a castle
Out of all the bricks they threw at me
And every day is like a battle
But every night with us is like a dreamBaby, we're the new romantics
Come on, come along with me
Heart break is the national anthem
We sing it proudly
We are too busy dancing
To get knocked off our feet
Baby, we're the new romantics
The best people in life are freeWe're all here
the lights and boys are blinding
We hang back
It's all in the timing
It's poker
He can't see it in my face
But I'm about to play my AceWe need love
But all we want is danger
We team up
Then switch sides like a record changer
The rumors
Are terrible and cruel
But, honey most of them are true'Cause, baby, I could build a castle
Out of all the bricks they threw at me
And every day is like a battle
But every night with us is like a dreamBaby, we're the new romantics
Come on, come along with me
Heart break is the national anthem
We sing it proudly
We are too busy dancing
To get knocked off our feet
Baby, we're the new romantics
The best people in life are freeSo come on, come along with me
The best people in life are freePlease take my hand and
Please take me dancing and
Please leave me stranded, it's so romantic (it's so romantic)'Cause, baby, I could build a castle
Out of all the bricks they threw at me
And every day is like a battle
But every night with us is like a dream'Cause, baby, I could build a castle
Out of all the bricks they threw at me
And every day is like a battle
But every night with us is like a dreamBaby, we're the new romantics
Come on, come along with me
Heart break is the national anthem
We sing it proudly
We are too busy dancing
To get knocked off our feet
Baby, we're the new romantics
The best people in life are free
New Romantics(ニュー・ロマンティックス)の歌詞和訳
私たちみんな退屈してるわ何もかもに疲れ切ってる
やって来ない電車をただ待ってるの
誰もがみんな恋の失敗をひけらかす
信じて 私の方がヤバイわよって
*
まだ若いのに 傷ついてばかりいて
バカ演じてるけど 自分のしてることちゃんと解ってる
お風呂の中 マスカラが涙と一緒に流れ落ちて
ねぇ 人生ってただのクラスルームね
*
だって お城だって築けそう
人から投げつけられたレンガを積み上げて
毎日が闘いだわ
でもみんなで一緒に過ごす夜は いつも夢の世界みたいよ
*
そう 私たちは新しい時代の夢見る乙女
来て 私と一緒に
失恋は国歌よ
誇りをもって歌いなさい
踊るのに忙しすぎるから
1つの恋に溺れることはできないの
そう 私たちは新時代の夢見る乙女
最高の人生を歩む人間は 自由なのよ
*
みんな来たわよ 光と音の洪水ね
私たち前には出ない タイミングがすべてだもの
これはポーカー 彼に私の表情は読めてないけど
今から切り札 使うところよ
*
私たちには愛が必要 でもスリルがすべて
意気投合しても レコードみたいに次から次へと切り替わる
ウワサって恐ろしく残酷
でもね 大体はホントのことね
*
サビ繰り返し
*
さあ 私と来て
最高の人生を歩む人間は 自由なのよ
*
手を取って
ダンスに連れて行って
私を骨抜きにしたまま立ち去って
それが恋に夢中ってこと(すごくロマンチックね)
*
サビ繰り返し
和訳チェックポイント(単語の意味・文法など)
以下、和訳のチェックポイントをまとめておく。We're all boredここでいう「電車」は恋愛における私たちみんな退屈してるわ
We're all so tired of everything
何もかもに疲れ切ってる
We wait for
Trains that just aren't coming
やって来ない電車をただ待ってるの
- 白馬の王子様
- ハッピーエンド
(お姫様のように)待っているだけでは刺激がなくて退屈するという恋愛の現実を端的に表す。
We show off単語はOur different scarlet letters
誰もがみんな恋の失敗をひけらかすの
- scarlet letters(緋文字)
- 姦通の罪を犯し
- 父親を明かさずに出産した女性
ちなみにテイラー・スイフトは「Love Story」という曲の中でも
'Cause you were Romeo, I was a scarlet letterといった具合に「scarlet letter」というキーワードを同様の意味で使用している。だって 貴方はロミオで 私は緋文字
Trust me, mine is betterはテイラー自身の言葉にも読めるし、女性たちが会話の中で「私の方が…」と互いに言い合ってる様子を描写してるともいえる。信じて 私の方がヤバイわよって
言わずもがな
- better「より良い」
Honey, life is just a classroom「クラスルーム」はねぇ 人生ってただのクラスルームよ
'Cause, baby, I could build a castle
だって お城だって築けそう
Out of all the bricks they threw at me
人から投げつけられたレンガを積み上げて
- 学びの場
また、規律を重んじ逸脱を排す傾向があるので
- 窮屈な人間関係
- 生徒間のヒエラルキー
- 周りからの非難や嫉妬
単語は
- built~out of「~から作られている」
ただ、昼間は教室でレンガ(非難・嫉妬)をぶつけられても
But every night with us is like a dream夜になって(似たような)私たちが集えば、現実ではなく夢の世界で楽しめるという流れ。でもみんなで一緒に過ごす夜は いつも夢の世界みたいよ
サビ部分は
Heart break is the national anthem単語は失恋は国歌よ
We sing it proudly
誇りをもって歌いなさい
We are too busy dancing
踊るのに忙しすぎるから
To get knocked off our feet
1つの恋に溺れることはできないの
- national anthem「国歌」
- too~toV「あまりにも~なのでVできない」
- get knocked off one's feet「骨抜きにされる」
もはや失恋を恐れず、次へ次へと新しい男に進み、1つの恋に拘泥することがない女性。
それこそまさに
Baby, we're the new romanticsという流れになる。そう 私たちは新時代の夢見る乙女
The best people in life are free
最高の人生を歩む人間は 自由なのよ
the lights and boys are blinding単語はみんな来たわよ 光と音の洪水ね
We hang back
私たち前には出ない タイミングがすべてだもの
- blinding「まばゆいばかりの」
- hang back「一歩下がる」
曲の最後は、女子が夢見る「恋物語」において
Please take my hand andと、ラブストーリーの幕が上げると仄めかす。手を取って
Please take me dancing and
ダンスに連れて行って
だが散々に失恋を繰り返して目が覚め切った彼女たちは、恋した男が
Please leave me stranded,しまうまでが一連の流れだと良く理解してる。私を骨抜きにしたまま立ち去って
すなわち
it's so romantic (it's so romantic)従来のロマンを辿れば、現実の世界で恋した女性は泣きを見て終わるだけ。それが恋に夢中ってこと(すごくロマンチックね)
だからこそ主体的に「新たなロマンチック(積極的にスリルを楽しみ短期的に恋を切り替える女)」を目指す、という流れ。
ちなみに単語は
- leave O C「OをCの状態のままにする」
- stranded「立往生」
和訳した感想
ということで今回の記事ではTaylor Swift(テイラー・スウィフト)の- New Romantics(ニュー・ロマンティックス)
を和訳してみました。
ご存じの人も多いと思いますが、テイラー・スイフトは19歳のときに発表した
といった曲でヒットを飛ばしていたりします。
この曲はまさに少女漫画。
ディズニーのプリンセスをそのまま歌にしたような曲なんです。
若き日に作ったこの曲の中では
- a scarlet letter(緋文字)
- =ジュリエット(お姫様)
テイラー・スイフトは本当に、ロマンチックな恋を夢見る乙女だったんだとわかります。
で、失恋を繰り返して繰り返して
のようなリアルな恋愛ソングをポップに歌うようになるのが23歳くらいのとき。同時期に発表された「I Knew You Were Trouble」は、特にヤバめ。
本気でボロボロになったんだな…
と勝手に推測してしまうくらい、遊び人の元カレに対する恨み節を歌っています。
そこから20代中盤に差し掛かっての
New Romantics(ニュー・ロマンティックス)
なんです。
私たち恋愛新時代の世代ですから~!
ってノリノリ肉食女子宣言しちゃうんです。
短期的なスリルある恋が好きって開き直っちゃうわけです。
10代の頃に「私はジュリエット~♪」って純白のドレスで歌ってたあのテイラー・スイフトが!
エモすぎません?
もう何と言ったらいいか…
テイラースイフトってすごいんですよ…!
まさに曲が私小説そのものなので
- 1人の少女の人生(恋愛遍歴)
恋に夢見て夢見て夢見て
現実に恋して破れて恋してボロボロになって
どんどん目が覚めてくんですよ
あ、王子様なんてどこにもいねぇって
で、夢から覚めていく1人の女性が、悲しさとか悔しさとか元カレへの恨みとか世間からの眼とか全部歌にして開き直って、音楽の世界でドンドンのし上がって歳を重ねてるんです。
全然いいと思います。
「Love Story」や「You Belong With Me」といった昔の曲より、ずっと面白い。
本当にパワフルな女性ですよね
彼女が早熟の才能に恵まれ、少女時代から歌の世界で活躍していた。
だからこそ過去の作品が伏線になり、大人になったテイラー・スイフトの曲も解釈の余地が広がっていくんです。
その意味でテイラースイフトの曲を味わうなら
- 年代順に追うのが一番楽しい