今回の記事では、Ed Sheeran(エド・シーラン)の
- Shape Of You(シェイプ・オブ・ユー)
を和訳したいと思います。
タイトルの意味を直訳すると
- 君のかたち
になりますが、単に「女性の身体」を欲するだけの下品な曲ではない、と訳しながら感じるものがありました。
Ed Sheeran(エド・シーラン)とは?
エドワード・クリストファー・シーラン(Ed Sheeran, MBE)は、1991年2月17日 に生まれたイギリスのシンガーソングライターである。
11歳のころから作曲を開始、16歳で音楽の道に進むと決心し、ロンドンに移住した。
が、ロンドンの高額な家賃を払うことができず、路上生活をすることに。
スタジオと路上でライブを重ね、地道にファンを増やしていった結果、2011年にメジャーレーベルとの契約を果たす。
同年、ファースト・アルバム『+(プラス)』が大ヒット。
2017年のアルバム『÷(ディバイド)』は過去に最も再生されたアルバムとして、ロングランヒットを記録した。
Shape Of You(シェイプ・オブ・ユー)とは?
2017年にリリースされたエド・シーランのサード・アルバム「÷(ディバイド)」に収録されている曲。
元々は自身がプロデュースに携わているリアーナ(Rihanna)が歌うことを念頭に制作された曲だった。
同年リードシングルとしてリリースされ、全世界で大ヒットを記録する。
第60回グラミー賞では最優秀ポップ・ソロ・パフォーマンス賞を受賞した。
Shape Of You(シェイプ・オブ・ユー)の歌詞
The club isn't the best place to find a lover
So the bar is where I go
Me and my friends at the table doing shots
Drinking fast and then we talk slow
And you come over and start up a conversation with just me
And trust me I'll give it a chance now
Take my hand, stop, put Van the Man on the jukebox
And then we start to dance, and now I'm singing likeGirl, you know I want your love
Your love was handmade for somebody like me
Come on now, follow my lead
I may be crazy, don't mind me
Say, boy, let's not talk too much
Grab on my waist and put that body on me
Come on now, follow my lead
Come, come on now, follow my leadI'm in love with the shape of you
We push and pull like a magnet do
Although my heart is falling too
I'm in love with your body
And last night you were in my room
And now my bedsheets smell like you
Every day discovering something brand new
I'm in love with your body
Oh—I—oh—I—oh—I—oh—I
I'm in love with your body
Oh—I—oh—I—oh—I—oh—I
I'm in love with your body
Oh—I—oh—I—oh—I—oh—I
I'm in love with your body
Every day discovering something brand new
I'm in love with the shape of youOne week in we let the story begin
We're going out on our first date
You and me are thrifty, so go all you can eat
Fill up your bag and I fill up a plate
We talk for hours and hours about the sweet and the sour
And how your family is doing okay
Leave and get in a taxi, then kiss in the backseat
Tell the driver make the radio play, and I'm singing likeGirl, you know I want your love
Your love was handmade for somebody like me
Come on now, follow my lead
I may be crazy, don't mind me
Say, boy, let's not talk too much
Grab on my waist and put that body on me
Come on now, follow my lead
Come, come on now, follow my leadI'm in love with the shape of you
We push and pull like a magnet do
Although my heart is falling too
I'm in love with your body
And last night you were in my room
And now my bedsheets smell like you
Every day discovering something brand new
I'm in love with your body
Oh—I—oh—I—oh—I—oh—I
I'm in love with your body
Oh—I—oh—I—oh—I—oh—I
I'm in love with your body
Oh—I—oh—I—oh—I—oh—I
I'm in love with your body
Every day discovering something brand new
I'm in love with the shape of youCome on, be my baby, come on
Come on, be my baby, come on
Come on, be my baby, come on
Come on, be my baby, come on
Come on, be my baby, come on
Come on, be my baby, come on
Come on, be my baby, come on
Come on, be my baby, come onI'm in love with the shape of you
We push and pull like a magnet do
Although my heart is falling too
I'm in love with your body
Last night you were in my room
And now my bedsheets smell like you
Every day discovering something brand new
I'm in love with your body
Come on, be my baby, come on
Come on, be my baby, come on
I'm in love with your body
Come on, be my baby, come on
Come on, be my baby, come on
I'm in love with your body
Come on, be my baby, come on
Come on, be my baby, come on
I'm in love with your body
Every day discovering something brand new
I'm in love with the shape of you
Shape Of You(シェイプ・オブ・ユー)の歌詞和訳
クラブは恋人探しに最適じゃないから
僕はバーに行く
ショットを片手に仲間とテーブルで飲んでると
どんどん酒が進み 呂律が回らなくなる
君はこっちにやって来て 僕とだけ会話を始める
信頼してくれてるんだ このチャンスをつかむんだ
さあ 僕の手を取って ちょっと待った
ジュークボックスでヴァン・モリソンのレコードを流すから
それから二人は踊り始める
そして僕はこんな感じで歌うのさ
*
ねぇ わかるだろ 君の愛がほしいんだ
君の愛は 僕みたいな奴のために作られたもんなんだ
来てくれ 僕に続いて
僕って狂ってるかも いや気にしないで
ねぇ言ってよ キミ、お喋りが過ぎるわよって
腰に手をまわして 体をくっつけて
こっちに来て 後に続いて
さあ こっちに来て まかせてみて
*
君のかたちに惚れたんだ
ふたりは磁石のように押し引き合うけど
僕の心が夢中になり過ぎてる
君の身体に惚れたんだ
昨晩 君は僕の部屋にいた
今 シーツから君のにおいがする
新たな発見に満ちた毎日だ
君の身体に惚れてるんだ
君の身体に恋してる
君の身体に惚れてるんだ
君の身体に恋してる
新たな発見に満ちた毎日だ
君のかたちに 僕は恋してるんだ
*
1週間後に ふたりで物語の幕を開けよう
初めてのデートに行く
ふたりは倹約家だから
食べ放題のバイキングに行って
君はバッグを 僕はお皿をパンパンに
何時間も何時間も 酸いも甘いも語り合う
君の家族はどう、なんてね
タクシーに乗って帰ろう 後部座席でキスをして
運転手にラジオをかけるよう頼んだら
僕はこんな感じで歌うのさ
*
サビ繰り返し
*
さあ来て 僕の彼女になってよ
*
サビ繰り返し
和訳チェックポイント(単語の意味・文法など)
以下、和訳のチェックポイントをまとめておく。
まず
The club isn't the best place to find a lover
クラブは恋人探しに最適じゃないから
So the bar is where I go
僕はバーに行く
Me and my friends at the table doing shots
ショットを片手に仲間とテーブルで飲んでると
Drinking fast and then we talk slow
どんどん酒が進み 呂律が回らなくなる
という出だしで歌がスタートする。
音楽に満ちた猥雑なクラブでは、会話を交わして交流を深めることが難しい。
刹那的な関係ではなく発展の見込みがある「恋人」を探すには、バーの方が相応しいという意。
お酒が回って朦朧としてきた状態から
And you come over and start up a conversation with just me
君はこっちにやって来て 僕とだけ会話を始める
And trust me I'll give it a chance now
信頼してくれてるんだ このチャンスをつかむんだ
単語は
- come over「こちらにやって来る」
- conversation「会話」
「I'll give it a chance」はこちらの質問を参考にした。
チャンスをつかむ(=彼女をモノにしよう)と心に決めてから
Take my hand, stop, put Van the Man on the jukebox
さあ 僕の手を取って ちょっと待った
ジュークボックスでヴァン・モリソンのレコードを流すから
And then we start to dance, and now I'm singing like
それから二人は踊り始める
そして僕はこんな感じで歌うのさ
単語は
- Van the Man(=ヴァン・モリソン)
で、欧米では「Van the Man」という愛称で、知名度と人気を誇っているミュージシャンを指す。
クラブで流れるような騒々しい音楽とは対照的である点も、彼のパーソナリティや理想とする恋のあり方が読み取れる。
サビは
Girl, you know I want your love
ねぇ わかるだろ 君の愛がほしいんだ
Your love was handmade for somebody like me
君の愛は 僕みたいな奴のために作られたもんなんだ
Come on now, follow my lead
来てくれ 僕に続いて
I may be crazy, don't mind me
僕って狂ってるかも いや気にしないで
主に「love」というのは
- 形のない抽象的なもの
であるが「was handmade(手製で作られた)」という単語を合わせることで「物」としてそれが具体的な形を伴うように描かれている。
- 精神的
- 肉体的
この両面の「愛」が混合して、境を失くしてるような印象を受ける。
続く
Say, boy, let's not talk too much
ねぇ言ってよ キミ、お喋りが過ぎるわよって
Grab on my waist and put that body on me
腰に手をまわして 体をくっつけて
Come on now, follow my lead
こっちに来て 後に続いて
Come, come on now, follow my lead
さあ こっちに来て まかせてみて
というフレーズは、どこまでが女性側のセリフなのか境界が曖昧である。
個人的な解釈としては
- 男女両方
同じ気持ちが重なり合って、融合していく(=性行為へと流れる)演出と考えて性別不詳に和訳した。
決して女性が受け身ではなく、お互いが
- follow my lead
と主導権を握れるようなパーソナリティが見える。
だからこそ
I'm in love with the shape of you
君のかたちに惚れたんだ
We push and pull like a magnet do
ふたりは磁石のように押し引き合うけど
「push and pull」といった表現で性行為を暗示し、互いに押し引き合う対等な肉体関係を仄めかす。
が
Although my heart is falling too
僕の心が夢中になり過ぎてる
といった具合に、彼の方が精神的に彼女に本気になってしまってるとも描かれている。
このままだと二人の対等な均衡は崩れてしまうので
I'm in love with your body
君の身体に惚れたんだ
という具合に「shape」ではなく「body」という言葉を使うことで肉体的な愛を強調し、バランスをとっている印象を受けた。
続く
And last night you were in my room
昨晩 君は僕の部屋にいた
And now my bedsheets smell like you
今 シーツから君のにおいがする
Every day discovering something brand new
新たな発見に満ちた毎日だ
といった表現から、彼にとってこういった恋の始まりは初めての経験だということもわかる。
One week in we let the story begin
1週間後に ふたりで物語の幕を開けよう
We're going out on our first date
初めてのデートに行く
「in 期間(~後)」の「in」が後ろに来る表現は、ナレーションなどに使われるもの。
You and me are thrifty, so go all you can eat
ふたりは倹約家だから
食べ放題のバイキングに行って
Fill up your bag and I fill up a plate
君はバッグを 僕はお皿をパンパンに
単語は
- thrifty「つつましい、倹約」
- all you can eat「食べ放題」
若い二人はお金に余裕があるわけではなく、コスパの良い食べ放題を選んだということ。
また、エド・シーランは10代の頃、お金がなくてホームレスをしていた経験もある。
We talk for hours and hours about the sweet and the sour
何時間も何時間も 酸いも甘いも語り合う
単語は
- the+形容詞(=名詞)
で、ここでは食べ放題における「甘い・酸っぱい(色々な)食べ物」を想起させると同時に
- 楽しい話
- 真面目な話
の両方を大人ぶって深く語っているような印象を受けさせる。
が、内実は
And how your family is doing okay
君の家族はどう、なんてね
という当たり障りのない内容という点も、どこか拙さを感じさせる。
健全なデートと会話を終えて、精神的な交流を行ったうえで
Leave and get in a taxi, then kiss in the backseat
タクシーに乗って帰ろう 後部座席でキスをして
Tell the driver make the radio play, and I'm singing like
運転手にラジオをかけるよう頼んだら
僕はこんな感じで歌うのさ
といった具合に、肉体的な愛へと移行していく。
最後にタイトルにもなっている
I'm in love with the shape of you
君のかたちに惚れたんだ
の「shape」は
- 形
- 姿
- 様子
といった形状を表す言葉である。
しかし一方で
- 幻影
- 本来の形
- (目に見えない)カタチ
といった抽象的な意味をもつことも念頭に入れて、より広義な解釈が可能な「かたち」という平仮名を採用した。
個人的には、ここでの「shape」は肉体と精神とが混合した「君」という存在の「かたち」に惹かれ、惚れている様を表現してると解釈している。
一方で、彼女と一夜を過ごしたことで
I'm in love with your body
君の身体に惚れたんだ
という表現が登場し、肉体的に彼女の身体を欲していることが強調される。
しかし
- 曲のタイトル
- 歌詞の出だし・末尾
共に「your body」ではなく
- Shape Of You(君のかたち)
と飾っていることから結局、欲に囚われながら肉体的・精神的どちらも混ぜこぜになった感情で彼女に惚れてる、というのがこの歌詞のいわんとするところと考察した。
訳してみた感想
ということで今回はエド・シーランの
- Shape Of You(シェイプ・オブ・ユー)
を和訳しました。
勝手な深読みですが
Although my heart is falling too
僕の心が夢中になり過ぎてる
という表現があることから、女性より男性の方が入れ込んでいるとわかります。
経験豊富な女性のスタンスに合わせるためにも
I'm in love with your body
君の身体に惚れたんだ
という言葉を繰り返しているのかな、という印象を受けました。
エド・シーランは
の中でも一番盛り上がる、男女が深く愛し合うサビの部分を「手を取り合って踊る」描写で描いています。
同じくラブソング代表曲のThinking Out LoudのMVでも、ダンスが主役となっていました。
そして、この曲でも
- 男性が踊りに誘う
というサビが繰り返されているのは、彼が刹那的な肉体関係ではなく、彼女との精神的な繋がりを求めている心理の表れともいえるでしょう。
毎日が新鮮といった表現や、ワクワクと食べ放題デートに行くくだりに、どこか幼さを感じさせますよね。
エロティックな歌詞ともいえるのかもしれませんが全体的に、どこか
- 幼さ
- 青臭さ
- 初々しさ
を感じさせる内容が魅力です。
女性への肉体的な欲求と精神的な希求を分けきれず混沌としてる、そんな青年の青春の1ページが描かれている気がしました。
ちなみに、公式でライブ映像もアップされています。
音源でしか知らないという方は、舞台上で一から曲を作っていくエド・シーランのライブ姿を見てみてください。
より一層、彼の音楽が好きになるかと思います。