今回の記事ではSting(スティング)の
- Englishman In New York(イングリッシュマン・イン・ニューヨーク)
の歌詞和訳をしてみたいと思います。
タイトルの意味は直訳すると
- ニューヨークの英国人
です。
ニューヨークの街を皮肉りながら彷徨い歩く、そんな英国人の姿が浮かんでくるような歌詞になっています。
Stingとは
本名は、ゴードン・マシュー・トーマス・サムナー。
イングランド出身のミュージシャン。
1977年にロックバンド「ポリス」を結成、ベーシスト兼ボーカルとして活躍した。
代表曲は「ポリス」時代の『Every Breath You Take』『Roxanne』『Fields of Gold』や『Fragile』など。
スティング名義としては、映画『レオン』の主題歌である『Shape of my Heart』が有名である。
Englishman In New York(イングリッシュマン・イン・ニューヨーク)という曲
1987年にリリースされたアルバム『ナッシング・ライク・ザ・サン』に収録されている。
曲のモデルになっているのはクウェンティン・クリスプという英国人らしい。
彼は同性愛が禁止されていた英国で、ゲイであることを隠さず、女装に身を包んで生活をしていた。
そんなクリスプが晩年アメリカに渡ってニューヨークに移住した話を聞いたのにインスピレーションを受けて、曲が作られた。
PVの途中に出てくる老婆のような人物は、クウェンティン・クリスプ本人である。
Englishman In New York(イングリッシュマン・イン・ニューヨーク)の歌詞
I don't take coffee, I take tea, my dear
I like my toast done on one side
And you can hear it in my accent when I talk
I'm an Englishman in New YorkSee me walking down Fifth Avenue
A walking cane here at my side
I take it everywhere I walk
I'm an Englishman in New York
Oh, I'm an alien, I'm a legal alien
I'm an Englishman in New York
Oh, I'm an alien, I'm a legal alien
I'm an Englishman in New YorkIf "manners maketh man" as someone said
He's the hero of the day
It takes a man to suffer ignorance and smile
Be yourself no matter what they say
Oh, I'm an alien, I'm a legal alien
I'm an Englishman in New York
Oh, I'm an alien, I'm a legal alien
I'm an Englishman in New YorkModesty, propriety can lead to notoriety
You could end up as the only one
Gentleness, sobriety are rare in this society
At night a candle's brighter than the sunTakes more than combat gear to make a man
Takes more than a license for a gun
Confront your enemies, avoid them when you can
A gentleman will walk but never runIf "manners maketh man" as someone said
He's the hero of the day
It takes a man to suffer ignorance and smile
Be yourself no matter what they say
Be yourself no matter what they say
Englishman In New York(イングリッシュマン・イン・ニューヨーク)の歌詞和訳
コーヒーは飲まずに 紅茶を頼むさ
トーストは片面を焼くのが好きなんだ
私が話せば 君は訛りで気づくだろう
私はニューヨークにいる英国人さ
*
5番街を歩く私をご覧なさい
片手に杖を持っている
何処へ行くときも 持ち歩くのさ
私はニューヨークにいる英国人だからね
*
そう、私は異星人 合法的なエイリアン
ニューヨークで暮らす英国人なんだ
そう、私は異星人 合法的なエイリアン
ニューヨークで暮らす英国人なのさ
*
誰かが言ったように「礼儀が紳士をつくる」なら
彼は 時の英雄さ
紳士たるもの 他人の無知は受け流し笑うべき
誰が何と言おうと 自分らしくあれ
*
そう、私は異星人 合法的なエイリアン
ニューヨークで暮らす英国人さ
そう、私は異星人 合法的なエイリアン
ニューヨークで暮らす英国人なのさ
*
謙虚や礼儀正しさは 悪評を生むかもしれない
君は唯一の人として 人生を真っ当できるだろう
優しさや勤勉さは この社会では貴重なものだ
夜には太陽よりも ロウソクの明かりが輝くよ
*
紳士になるためには 戦闘服や装備だけじゃ足りない
銃のライセンス以上のものが必要なのさ
敵と対峙するときは 出来る限り避けるんだ
紳士は歩く 決して走らない
紳士たるもの 他人の無知を受け流して笑うべき
誰かが言ったように「礼儀が紳士をつくる」なら
彼は 時の英雄さ
誰が何と言おうと 自分らしくあれ
誰が何と言おうと 自分らしくあれ
和訳チェックポイント(単語の意味・文法など)
以下、和訳した際のポイントをまとめておく。
紳士然とした雰囲気を出し、性別をあえて不詳にするように、一人称は「私」とした。
この曲の一番印象的なフレーズは
Oh, I'm an alien, I'm a legal alien
そう、私は異星人 合法的なエイリアン
という部分である。
ニューヨークに暮らす「よそ者」の英国人である自分を「エイリアン」と歌っているフレーズ。
音の響きがとても美しいので、元の単語を残すように訳にした。
また
Manners maketh man
礼儀が紳士を作る
という格言は、オックスフォード大学のニュー・カレッジ、ウィンチェスター・カレッジを創設した中世の神学者William Hormanの言葉である。
古い表現なので
- maketh
という評気になっている。
最近では『キングスマン』という映画の中にも使われてた言葉。
他には
It takes a man to suffer ignorance and smile
紳士たるもの 他人の無知を受け流して笑うべき
Be yourself no matter what they say
誰が何と言おうと 自分らしくあれ
a manというのは「一人前の大人」であり「紳士」と訳した。
- It takes A to ~「Aには~が必要である」
- suffer「我慢する」
- smile「笑う」自動詞
と訳した。
ニューヨークで暮らす英国人。
合法的に認められた存在でありながら、周りとは違う異質な存在。
曲のモデルとなったクリスプもまた、祖国ではゲイとして「illeagal」な存在となり、異国の地でもやはり合法的な「エイリアン」にしかなれない。
それでも、彼は自分を曲げることはしない。
Be yourself no matter what they say
誰が何と言おうと自分らしくあれ
どんなに武器を抱え込んでも、人の強さの源は、その心のうちにある。
紳士は、歩く。
決して走らない。
悠然としたその足取りに一人の英国人の、いや一人の人間の生き様を誇る様子がうかがえる、そんな一曲のように思われた。
訳してみた感想
ということで今回の記事ではSting(スティング)の
- Englishman In New York(イングリッシュマン・イン・ニューヨーク)
を訳してみました。
ニューヨークの雑踏の中で、英国人としての誇りを失わないように、自らを鼓舞しているような歌詞。
この曲は大好きでかなりヘビロテしています。
同じくStingの代表曲として有名な『Shape of my Heart』も素晴らしい曲です。
バンド(ポリス)時代の名曲『Every Breath You Take』も多くの人が一度は耳にしたことがある80年代を代表する名曲ですよね。
Stingの曲は気軽に訳せるものではありませんが、少しずつ色々な曲を聞いていきたいと思っています。