今回は、Vanessa Carlton(ヴァネッサ・カールトン)の
- A Thousand Miles(サウザンド・マイルズ)
タイトルは「1000マイル」という意味で、1600キロメートルの長さを指します。
絶対に会うことができない恋人を想い
- 今夜あなたに会えるならば1000マイル歩くわ
解釈は人それぞれですが、この曲はただの失恋ソングではないと感じます。
軽やかで爽やかなピアノのイントロが魅力的な曲ですが、実は非常に哀しい歌詞だと感じました。
Vanessa Carlton(ヴァネッサ・カールトン)とは?
Vanessa Carlton(ヴァネッサ・カールトン)は、アメリカ出身のピアニスト、シンガーソングライターである。2002年にアルバム『Be Not Nobody』でデビューした。
同アルバムの収録曲「A Thousand Miles」がBillboard Hot 100で最高5位を記録。
ヨーロッパ各国でもトップ10入りを果たす、ヒット曲となった。
A Thousand Miles(サウザンド・マイルズ)という曲
A Thousand Miles(サウザンド・マイルズ)は、Vanessa Carlton(ヴァネッサ・カールトン)の2002年のデビューアルバム『Be Not Nobody』に収録されている。日本でも、ONE OK ROCKがカバーしたことで知ってる人も多い曲。
MVは本人がピアノを軽やかに演奏しながら、道を走りゆくといったロードムービー風に仕上がっている。
A Thousand Miles(サウザンド・マイルズ)の歌詞
Making my way downtown walking fast
Faces pass and I'm home bound
Staring blankly ahead just making my way
Making a way through the crowdAnd I need you
And I miss you
And now I wonderIf I could fall into the sky
Do you think time would pass me by?
'Cause you know I'd walk a thousand miles
If I could just see you tonightIt's always times like these when I think of you
And I wonder if you ever think of me
'Cause everything's so wrong and I don't belong
Living in your precious memories'Cause I'll need you
And I'll miss you
And now I wonderIf I could fall into the sky
Do you think time would pass me by?
'Cause you know I'd walk a thousand miles
If I could just see you tonightAnd I, I don't want to let you know
I, I drown in your memory
I, I don't want to let this go
I, I don'tMaking my way downtown walking fast
Faces pass and I'm home bound
Staring blankly ahead just making my way
Making a way through the crowdAnd I still need you
And I still miss you
And now I wonderIf I could fall into the sky
Do you think time would pass us by?
'Cause you know I'd walk a thousand miles
If I could just see youIf I could fall into the sky
Do you think time would pass me by?
'Cause you know I'd walk a thousand miles
If I could just see you, if I could just hold you tonight
A Thousand Miles(サウザンド・マイルズ)の歌詞和訳
街を通り過ぎて足早に歩く 人々とすれ違いながら
家路につくの
ぼんやりと前方を見つめて
ただ通り過ぎてく
人混みの中を進んでいくの
*
あなたが必要で
恋しくて
そう 知りたいのよ
*
もし私がこの空に身を投げ出せたら
あなたは考えるの? 時間が私を置き去りにするって
だって知ってるでしょう 1000マイルだって歩くのよ
もし今夜 あなたに会うことさえできるなら
*
あなたのことを想うと いつもこんな風
あなたも私のこと考えてくれることあるのかな
だって全てが間違いで 居場所もなくて
あなたの大切な思い出の中で生きてるのよ
*
知られたくない
あなたの記憶に溺れてるなんて
手放したくないの
嫌なのよ
*
サビ繰り返し
和訳チェックポイント(単語の意味・文法など)
以下、和訳のチェックポイントをまとめておく。まず
Making my way downtown walking fast単語は街を通り過ぎて 足早に歩く
Faces pass and I'm home bound
人々とすれ違いながら 家路につくの
Staring blankly ahead just making my way
ぼんやりと前方を見つめて ただ通り過ぎてく
Making a way through the crowd
人混みの中を進んでいくの
- make one's way「進む、行く」
- downtown「(繁華)街」
- home bound「家に帰る」
- stare「見つめる」
- blankly「ぼんやりと」
- crowd「人混み」
「Faces pass(顔が通り過ぎる)」は色々な人とすれ違う様子を表している。
賑やかで人の多い場所を何にも関心を持たず、ぼんやりと独りで帰宅していく様が描写される。
そんな状態で彼女が考えていることは
And I need you単語はあなたが必要で
And I miss you
恋しくて
And now I wonder
そう 知りたいのよ
If I could fall into the sky
もし私がこの空に身を投げ出せたら
Do you think time would pass me by?
あなたは考えるの? 時間が私を置き去りにするって
- wonder「知りたいと思う、疑問に思う」
- fall into「~に落ちる」
- time pass by「時間が過ぎていく」
彼女がどれほど彼に会いたいか語られてるフレーズ。
下線部は仮定法になる。
※が「wonder if ~(~かしら、~かと思う)」は基本的に仮定法にならないので、ここでは「wonder」を自動詞として「If」から「もし~」と新しい分が始まってると解釈している。
If I could fall into the skyという表現から、彼はもし私がこの空を落ちていけたら
- 天国にいる(=亡くなってる)
もし空から身を投げれば、彼女の人生は止まり、時間が瞬く間に過ぎ去る(=死ぬ)ので
Do you think time would pass me by?彼と二人で天国に居られるという意ではないかと考えた。あなたは考えるの? 私の時間が過ぎゆくだろうって
'Cause you know I'd walk a thousand miles下線部は仮定法である。だって知ってるでしょう 1000マイルだって歩くのよ
If I could just see you tonight
もし今夜 あなたに会うことさえできるなら
1000マイル(1600キロ)も歩くなんて不可能であるが、あなたに会えるのなら私はやるという意。
あなたに会えるのなら、何だってするという意味。
つまり
- 1000マイル歩くこと
- あなたに会う
It's always times like these when I think of you単語はあなたのことを想うと いつもこんな風
And I wonder if you ever think of me
あなたも私のこと考えてくれることあるのかな
'Cause everything's so wrong and I don't belong
だって全てが間違いで 居場所もなくて
Living in your precious memories
あなたの大切な思い出の中で生きてるのよ
- like「~ような」
- wonder if「~かしら」
- wrong「間違い」
- belong「あるべきところにある」
- precious「大切な」
- memory「思い出」
「everything's so wrong」は今の現状(=彼がどこにもいない)を否定したい気持ちの表れ。
また「I don't belong living in your precious memories」を
- あなたの大切な思い出に私ははいない
が「belong living」はひと繋がりでは通らず(belongは原則自動詞なので目的語はとれない)この意味を否定の分子構文とするなら
I don't belong,と否定語が必要になる。Not living in your precious memories
またここまでの文脈として、ただの失恋ソングではなく、彼が(おそらく死んでしまって)どこにもいない哀しさを歌っていると読めていれば
I don't belong,という心境は当然であり私の居場所はない
living in your precious memoriesというフレーズからも(死んでしまった)あなたの思い出の中に私は生き続ける。あなたの大切な思い出の中で生きてるのよ
そう(死んでしまった)あなたが私の思い出の中で生きるのと同じように…という切なさとして解釈が通るだろう。
つまり歌詞全体として、生きてるのに死んでいるような様。
理由は、あなたに会えないから。
例え1000マイル歩いたとしても会えない。
もしも会えるのなら、私は歩く、それくらいの絶望を込めて。
宙ぶらりんとした悲しさ・切なさ・やりきれなさを表現した歌詞なのではないだろうか。
和訳した感想
ということで今回の記事では、ワン・ダイレクションの- A Thousand Miles(サウザンド・マイルズ)
を和訳しました。
2002年の曲ですが、今後も人々に長く聞かれ続ける名曲ではないでしょうか。
この曲はただの失恋ソングと読むこともできます(し、どのようにも解釈できる和訳に努めました)
が、文脈から察するに
- 亡くなった恋人
だからこそ1000マイル歩くという例えの途方もなさには、会えるのならどんなことでもするという途方もない寂しさと
- どれだけ歩いても彼はどこにもいない
余りに切なく救いようのない歌詞でもあります。
が、代わりに救済を与えているのが、あの麗らかなピアノのハーモニーなのでしょう。
ちなみに日本のバンドであるONE OK ROCKがカバーをしてるですが、ぜひ聞いてみてください。
※公式の動画はなかったのでリンクを貼るのは控えましたが。
あまりに感動してボーカルの方を調べたら、森進一さんの息子なんですね。
(今更)
気になる方はチェックしてみてください。