今回はBon Jovi(ボン・ジョヴィ)の
- Livin’ On A Prayer(リヴィン・オン・ア・プレイヤー)
の歌詞を和訳したいと思います。
タイトルは「祈りを糧に生きていく」といった意味になります。
ちなみに
- prayer「祈り、希望」
決して「player(遊び人)」ではないので注意しましょう。
貧しさに負けず共に生きようとする、トミーとジーナというカップルが主役の物語調の曲です。
Bon Joviとは?
ボン・ジョビ(Bon Jovi)は、アメリカ合衆国のロックバンド。
1984年デビューし、1986年に3rdアルバム『Slippery When Wet』がBillboard 200で8週連続1位を獲得する。
トータルセールスは、1億2,000万枚以上の人気バンド。
Livin’ On A Prayer(リヴィン・オン・ア・プレイヤー)という曲
この曲はボン・ジョビの3枚目のアルバム『Slippery When Wet』に収録されている。
1986年にシングル・リリースされた。
Billboard Hot 100において4週連続で1位を獲得したヒット曲。
貧しさに負けず懸命に生きる、トミーとジーナを主人公にした物語調の曲となっている。
Livin’ On A Prayer(リヴィン・オン・ア・プレイヤー)の歌詞
Once upon a time not so long ago
Tommy used to work on the docks, union’s been on strike
He’s down on his luck, it’s tough, so tough
Gina works the diner all day working for her man
She brings home her pay, for love, for loveShe says, we’ve got to hold on to what we’ve got
It doesn’t make a difference if we make it or not
We’ve got each other and that’s a lot for love
We’ll give it a shotWoah, we’re half way there
Woah, livin’ on a prayer
Take my hand, we’ll make it I swear
Woah, livin’ on a prayerTommy’s got his six-string in hock
Now he’s holding in what he used to make it talk
So tough, it’s tough
Gina dreams of running away
When she cries in the night, Tommy whispers
Baby, it’s okay, somedayWe’ve got to hold on to what we’ve got
It doesn’t make a difference if we make it or not
We’ve got each other and that’s a lot for love
We’ll give it a shotWoah, we’re half way there
Woah, livin’ on a prayer
Take my hand, we’ll make it I swear
Woah, livin’ on a prayer
Livin’ on a prayerOh, we’ve got to hold on, ready or not
You live for the fight when it’s all that you’ve got
Woah, we’re half way there
Woah, livin’ on a prayer
Take my hand, we’ll make it I swear
Woah, livin’ on a prayerWoah, we’re half way there
Woah, livin’ on a prayer
Take my hand, we’ll make it I swear
Woah, livin’ on a prayerWoah, we’re half way there
Woah, livin’ on a prayer
Take my hand, we’ll make it I swear
Woah, livin’ on a prayer
Livin’ On A Prayer(リヴィン・オン・ア・プレイヤー)歌詞和訳
昔々あるところに… いやそれほど昔でもねぇな
*
トミーは港湾で働いてたさ
けど組合のストライキが続いちまって
落ちぶれてた キツイ状況さ
すげぇキツイよな
ジーナは一日中 食堂で働いてる
愛する男のために仕事して
稼ぎを家に持ち帰るのさ 愛のため
そう 愛のためにな
*
彼女は言うのさ ”今あるものにしがみつかなきゃ
違いはないわ
上手くいってもいかなくても
ふたり一緒
愛し合うには これで十分よ
やってみましょう
*
私たちは まだ道半ば
希望を糧に生きていく
手をとって 私達きっとうまくいく 誓うわ
祈りを支えに生きていくの”
*
トミーのギターは質に入ってる
抑えてんのさ かつてギターで語ってた気持ちを
辛い状況さ すげぇ辛いよな
ジーナは逃げ出す夢を見てるぜ
夜中に泣いたら
トミーが囁くのさ ”大丈夫だよ
いつの日かきっと
*
今あるものにしがみつかないとね
違いはないよ
上手くいってもいかなくても
ふたり一緒
愛し合うには これで十分さ
とりあえずやってみよう
*
僕たちは まだ道半ば
希望を糧に生きていく
手をとって 僕達きっとうまくいく 誓うよ
祈りを支えに生きていくんだ
祈りながら生きていくんだ
*
しがみつくしかない 準備できていようがいまいが
闘うことが大切なんだ いつだって何かを得るときは
ふたりは まだ道半ば
希望を糧に生きていく
手をとって きっとうまくいく 誓うから
祈りを支えに生きていく
祈りながら生きていく
*
サビ繰り返し
Livin’ On A Prayer(リヴィン・オン・ア・プレイヤー)の豆知識
この曲、Livin’ On A Prayer(リヴィン・オン・ア・プレイヤー)は
- ボン・ジョヴィの他の曲
と一部リンクしている。
1つ目が「It’s My Life」で
This is for the ones who stood their ground
これは逃げなかった奴に捧げる歌だ
For Tommy and Gina, who never backed down
後へ引かなかったトミーとジーナのための歌なんだ
といった具合に、この曲の主人公である二人の名前が登場する。

2つ目が「99 in the Shade」で
Somebody tells me even Tommy’s coming down tonight
誰かが俺に言った トミーだって今夜やって来る
If Gina says it’s alright
ジーナが大丈夫って言えばな
といった具合に、この曲の主人公である二人の名前が登場する。
最後に「Born to Be My Baby」という曲でも、同じく貧困に負けずに愛に生きるカップルが描かれている。
この曲の目的も「トミーとジーナにハッピーエンディングを与えるため」とジョン・ボン・ジョヴィが言及してるらしい。

またこの曲は、作曲者の1人であるデズモンド・チャイルドと元彼女の体験に基づいているらしい。
デズモンド曰く
Her name was Maria Vidal.
彼女の名前は、マリア・ヴィダルでした。
I stayed home writing songs, and she worked as a waitress at a place called Once Upon a Stove.
私は家にいて曲を書き、彼女はウエイトレスとして「ワンス・アポン・ア・ストーブ」と呼ばれる場所で働いていました。
They called her Gina because she reminded them of Gina Lollobrigida.
皆は彼女をジーナと呼びました。彼女がジーナ・ロロブリジーダを彷彿させたからです。
自分のミドルネームは「ジョニー」だったため
- ジョニーとジーナ
で曲の制作は始まったが、トミーに変更したとのこと。
和訳のチェックポイント(単語・文法など)
以下、和訳のチェックポイントをまとめておく。
まず
Once upon a time not so long ago
昔々あるところに… いやそれほど昔でもねぇな
「Once upon a time」は「昔々」とおとぎ話が始まるような出だしである。
物語調の曲なので
- 語り手=歌い手(ジョン・ボン・ジョヴィ)
のつもりで少しワイルドな口調に訳した。
Tommy used to work on the docks, union’s been on strike
トミーは港湾で働いてたさ
けど組合のストライキが続いちまって
He’s down on his luck, it’s tough, so tough
落ちぶれてた キツイ状況さ
すげぇキツイよな
Gina works the diner all day working for her man
ジーナは一日中 食堂で働いてる
愛する男のために仕事して
She brings home her pay, for love, for love
稼ぎを家に持ち帰るのさ 愛のため
そう 愛のためにな
単語は
- docks「ドック(船舶の製造・点検・荷役作業に用いられる設備)」
- union「組合」
- down on one’s luck「落ちぶれる」
- tough「辛い、あいにくの」
という意味である。
トミーは「dock worker(港湾労働者)」であることが示唆されており、ストライキ中は賃金が発生しない。
She says, we’ve got to hold on to what we’ve got
彼女は言うのさ ”今あるものにしがみつかなきゃ
It doesn’t make a difference if we make it or not
違いはないわ
上手くいってもいかなくても
We’ve got each other and that’s a lot for love
ふたり一緒
愛し合うには これで十分よ
We’ll give it a shot
やってみましょう
単語は
- have got to(=have to)
- hold on「つかまっている」
- give it a shot「挑戦してみる」
となる。
「give it a shot」はダメかもしれないけど、とりあえず挑戦してみるといったニュアンス。
以下、続くサビの主語も「we」なので登場人物(ジーナ)のセリフである。
Woah, we’re half way there
私たちは まだ道半ば
Woah, livin’ on a prayer
希望を糧に生きていく
Take my hand, we’ll make it I swear
手をとって 私達きっとうまくいく 誓うわ
Woah, livin’ on a prayer
祈りを支えに生きていくの”
単語は
- living on「~を頼りに生きる」
- swear「誓う」
タイトルに含まれている「prayer」は可算名詞で「祈り(の言葉)」という意味だが
- 希望
という意味もある。
この2つの意味をもつ単語をあえて選んでる点から、一方の意味だけでなく、どちらの訳も採用することにした。
ここでは宗教的な意で、神に祈るという行為を重要視してるというより、よりナチュラルに
- 現状が好転するよう「祈り」つつ
- +
- これから先の未来に「希望」をもつ
ことを糧にしながら、共に生きていこうと声を掛け合ってる姿と解釈した。
2番に入り、再び語り手が現れて
Tommy’s got his six-string in hock
トミーのギターは質に入ってる
Now he’s holding in what he used to make it talk
抑えてんのさ かつてギターで語ってた気持ちを
So tough, it’s tough
辛い状況さ すげぇ辛いよな
単語は
- six string「6弦(のギター)」
- in hock「質に入れて」
- hold in「抑制する」
- used to「かつて~した」
となる。
- what he used to make it talk
の「it」は「his six-string(彼のギター)」を指している。
「what」は名詞節をつくる関係詞なので「もの・こと」という意味になる。
「make」は使役動詞なので直訳すると「彼がかつてギターに語らせていたこと」つまり
- 歌にのせて語ってた自分の想い
を今は「holding in(抑えている)」ということ。
Gina dreams of running away
ジーナは逃げ出す夢を見てるぜ
When she cries in the night, Tommy whispers
夜中に泣いたら
トミーが囁くのさ ”大丈夫だよ
Baby, it’s okay, someday
いつの日かきっと
単語は
- run away「逃げ出す」
- whisper「ささやく」
である。
ここから1番のジーナのセリフと同じものをトミーが口にする流れで、サビが繰り返される。
Oh, we’ve got to hold on, ready or not
しがみつくしかない 準備できていようがいまいが
You live for the fight when it’s all that you’ve got
闘うことが大切なんだ いつだって何かを得るときは
この部分に関しては、こちらの回答を参考にして訳した。
最後のサビの繰り返しは、ジーナとトミーがふたり一緒に言葉を発しているようなイメージで
ふたりは まだ道半ば
希望を糧に生きていく
手をとって きっとうまくいく 誓うから
祈りを支えに生きていく
祈りながら生きていく
とどちらの性別にも対応できる訳にして、歌詞を終えることにした。
和訳してみた感想
ということで今回はBon Jovi(ボン・ジョヴィ)の
- Livin’ On A Prayer(リヴィン・オン・ア・プレイヤー)
を和訳しました。
イーグルスの「ホテル・カリフォルニア」などもそうでしたが、物語調の曲は訳が楽しいですね。

サビに入る手前の
- We’ll give it a shot!
ってところのメロディーがすごく好きなんですけど、皆そうなのでしょうか?
30年以上前の曲ですが、今聞いても古さを全く感じません。
ボン・ジョヴィのヒットソングはどれも時代を超えて愛され続けるような気がします。