『Shape Of My Heart』Sting 歌詞和訳|スティング『シェイプ・オブマイ・ハート』

今回は、Sting(スティング)の名曲

  • Shape Of My Heart(シェイプ・オブ・マイ・ハート)

の歌詞和訳をしたいと思います。

タイトルの意味は

  • Shape Of My Heart「私の心のかたち」

が直訳となります。

目次

Sting(スティング)とは?

本名は、ゴードン・マシュー・トーマス・サムナー。

イングランド出身のミュージシャン。

1977年にロックバンド「ポリス」を結成、ベーシスト兼ボーカルとして活躍。

代表曲は「ポリス」時代の

  • Every Breath You Take
  • Roxanne
  • Fields of Gold
  • Fragile

などが有名である。

スティング名義の曲としては『Englishman in New York』を耳にしたことがある人は多いはず。

Shape Of My Heart(シェイプ・オブ・マイ・ハート)という曲について

Shape Of My Heart(シェイプ・オブ・マイ・ハート)は、1993年にシングルリリースされた曲。

1994年に制作されたリュック・ベッソン「レオン」の主題歌として有名。

哀愁漂うメロディを聞くと、映画のワンシーンがふっとよみがえってくる、そんな曲。

Shape Of My Heart(シェイプ・オブ・マイ・ハート)の歌詞

He deals the cards as a meditation
And those he plays never suspect
He doesn’t play for the money he wins
He don’t play for respect

He deals the cards to find the answer
The sacred geometry of chance
The hidden law of a probable outcome
The numbers lead a dance

I know that the spades are the swords of a soldier
I know that the clubs are weapons of war
I know that diamonds mean money for this art
But that’s not the shape of my heart

He may play the jack of diamonds
He may lay the queen of spades
He may conceal a king in his hand
While the memory of it fades

I know that the spades are the swords of a soldier
I know that the clubs are weapons of war
I know that diamonds mean money for this art
But that’s not the shape of my heart
That’s not the shape
The shape of my heart

If I told her that I loved you
You’d maybe think there’s something wrong
I’m not a man of too many faces
The mask I wear is one

But those who speak know nothing
And find out to their cost
Like those who curse their luck in too many places
And those who fear are lost

I know that the spades are the swords of a soldier
I know that the clubs are weapons of war
I know that diamonds mean money for this art
But that’s not the shape of my heart
That’s not the shape of my heart
That’s not the shape
The shape of my heart

Shape Of My Heart(シェイプ・オブ・マイ・ハート)の歌詞和訳

煩悩を捨て去るようにカードを切るから

彼の対戦相手は 決して疑わない

金を勝ち取るためではなく

尊敬されるためでもなく

彼はカードを切るんだ 答えをみつけるために

「運」という名の聖なる幾何学を

「勝率」という名の隠れた法則を

人々は数字に翻弄されてるんだ

わかってる スペードは兵士の剣で

クラブは戦うための武器で

ダイヤはこの見事な腕前に対する報酬なんだろ

でも そいつは違う 俺のハートの形とは

彼はダイヤのジャックを切るかもしれないし

スペードのクイーンを置くかもしれない

手にキングを隠してるかも

記憶が薄れていくうちに

(サビ繰り返し)

もしお前に「愛してる」って伝えたら

何があったの、と思うかもしれないな

俺は多くの顔をもつ男じゃない

被ってる仮面は 一つだけ

おしゃべりな奴らは 何もわかっちゃいねぇ

だから 懲り懲りだって気づくのさ

至る場所で自分のツキを呪う奴らのように

恐れる者に勝利などない

サビ繰り返し

和訳のチェックポイント(単語の意味・文法など)

まずは訳の前に、こちらのインタビューにある本人解説が必要である。

“I wanted to write about a card player, a gambler who gambles not to win but to try and figure out something; to figure out some kind of mystical logic in luck, or chance; some kind of scientific, almost religious law. So this guy’s a philosopher, he’s not playing for respect and he’s not playing for money, he’s just trying to figure out the law – there has to be some logic to it. He’s a poker player so it’s not easy for him to express his emotions, in fact he doesn’t express anything, he has a mask, and it’s just one mask and it never changes.”

要約すると、この曲は

  • ポーカーのプレイヤー

を描いたものである。

しかも勝つために試合をしてるのではなく、何か別のものをゲームの中で追及している男なのだ。

そして職業柄、簡単には感情を表現することができない。

この背景を想像しつつ、以下訳へ進もう。

He deals the cards as a meditation

煩悩を捨て去るようにカードを切るから

And those he plays never suspect

彼の対戦相手は、決して疑わない

ここでいう

  • deal the cards「カードを切る」

は文脈的にディーラーではなくプレイヤーの行動のはずなので「配る」ではなく「切る」と訳した。

  • meditation「瞑想」

は賭け事をする身の行動としては「欲を捨てる」という不自然(対比的)な行動。

なので(and)

  • those he plays「彼と試合をしてる人々」

の動詞である「suspect」以下に「that」がないことから(※省略という可能性もあるが、あえて)他動詞ではなく自動詞として判断し

  • suspect「疑いをかける、邪推する」

のニュアンスで解釈した。

対戦相手も彼のイカサマを疑うことはない。

心を静めて、瞑想するようにゲームをプレイしてる男の姿が浮かぶシーンとなる。

次に

He doesn’t play for the money he wins

金を勝ち取るためではなく

He don’t play for respect

尊敬されるためでもなく

He deals the cards to find the answer

彼はカードを切るんだ 答えをみつけるために

The sacred geometry of chance

「運」という名の聖なる幾何学を

The hidden law of a probable outcome

「勝率」という名の隠れた法則を

The numbers lead a dance

人々は数字に翻弄されいるんだ

当然

  • win the money「ゲーム(に勝って)賞金を得る」

ことである。

彼が探してる答えとは何か?

具体例として

  • sacred「聖なる」
  • geometry「幾何学」
  • chance「運」
  • probable「もっともらしい」
  • outcome「結果、成果」
  • lead a dance「(人)を引きずり回す」

というような単語が、並ぶと考えた。

※「of」は同格「~という」で訳した。

ここで並ぶ単語「sacred」「law」などは、「賭け事」とは反するような意をもつ語。

最初の「meditation」と同じで、男にとって賭け事という本来なら欲にまみれた場所がいかに神聖なものであるか、彼のゲームに向かう姿勢に邪心はなく、ただ真理のようなものを追究してるとわかる。

I know that the spades are the swords of a soldier

わかってる スペードは兵士の剣で

I know that the clubs are weapons of war

クラブは戦うための武器で

I know that diamonds mean money for this art

ダイヤはこの見事な腕前に対する報酬なんだろ

シンボルとして

  • スペード(剣)
  • クラブ(棍棒)
  • ダイヤ(金)
  • ハート(愛、心)

を順に表す。

※クラブは平和の象徴ともいわれるが「weapons of war」と補足ある点からも、また農民の道具(武器)という起源を想起させる。

つまりカード上に記載されてる(上記3つの)シンボルが、そのままポーカーという試合(戦い)における、武器や金を象徴してると男は考えている。

  • this art

も、自らのポーカーにおける「技術、腕前、手腕」と男が考えてるものと解釈した。

だが、カード上の4つのシンボルの中で、ハートだけは異なる。

というのも

  • スペード(剣)
  • クラブ(棍棒)
  • ダイヤ(金)

とは違って、ポーカーというゲームにおいて「心」を読まれるのは、ご法度なのだ(=武器にはならず、むしろ弱点となる)

このポーカーの弱点としてのハートに対して

But that’s not the shape of my heart

でも そいつは違う 俺のハートの形とは

と彼は述べる。

ポイントは、他の3つと違い

  • my

という所有格がついている。

つまり、他の浅はかなプレーヤーは「ハート」を隠すことはできないかもしれない。

カード上のハートのように、形となって表れるように、簡単に他者の眼に読み取られてしまうものかもしれない。

だが「俺のハート(心のうち)」は、違う。

トランプ上に象徴として形作られたハートのように決して目に見て読み取れるものじゃない、と。

絶対に、読めない男の心のうち。

圧倒的なポーカーフェイス。

その自信の表れ。

He may play the jack of diamonds

彼はダイヤのジャックを切るかもしれないし

He may lay the queen of spades

スペードのクイーンを置くかもしれない

He may conceal a king in his hand

手にキングを隠してるかも

While the memory of it fades

記憶が薄れていくうちに

下線の「it」が何を指すかの解釈も人によるだろう。

ここでは、ポーカーという「記憶力」が必要とされる試合の最中に「カード」の記憶が薄れかけた「状況」を指すと考えた。

「a king」が場に出たか出てないか忘れるような頃合いで、カードを手の中に隠しているのではと懸念してると解釈した。

記憶が薄れるという流れから、愛する女の気配が漂う場面へ転換。

If I told her that I loved you

もしお前に「愛してる」って伝えたら

You’d maybe think there’s something wrong

何があったの、と思うかもしれないな

彼のポーカーの腕前(arts)を表現した後で、彼の恋愛のスタンスも語り、男のパーソナリティを強調している部分。

ここで

  • If I told her that I loved you

は仮定法である。

普段、男は「愛してる」なんて絶対に言わないし、多分これからも言わない。

さらに

I’m not a man of too many faces

俺は多くの顔をもつ男じゃない

The mask I wear is one

被ってる仮面は 1つだけ

「of」は所有を表すものとして和訳した。

彼は沢山の顔を使い分けるようなことはできないから

  • The mask I wear is one

となる。

このたった1つの「the mask」はポーカーの試合中に仮面を被るようなもので、常に自分の本心を隠している感情の読めない顔に違いない。

逆に、俺が感情を露わにしてお前に「愛してる」と言ったら、それは自分の本心だ、ということ。

But those who speak know nothing

おしゃべりな奴らは 何もわかっちゃいねぇ

And find out to their cost

だから、懲り懲りだって気づくのさ

Like those who curse their luck in too many places

至る場所で自分のツキを呪う奴らのように

And those who fear are lost

恐れる者に、勝利などない

単語は

  • those who「~する人々」
  • to one’s cost「損をして、懲りて」
  • curse「~を呪う」
  • like「~のように」

最後の「lost」に関しては、単純に「負ける」の意と解釈した。

和訳してみた感想

ということで今回は、Stingの

  • Shape Of My Heart

を和訳しました。

映画「レオン」が好きだったので、何気なく訳を始めたら苦労しました。

訳しながら解釈がかなり別れそうだ、と感じるほど難解でした。

そもそも

But that’s not the shape of my heart

の部分だけで、頭を何度捻ったかわかりません。

ここは、俺のハートはトランプのハートとは異なり

  • 形をもっていない
  • (=表に出ない)

ゆえに、ポーカーとしての凄腕であることを表現し、同時に自分の「愛」を表現するのが下手だという解釈に落ち着きました。

かつトランプのハートと違って

  • 美しく整っていない
  • (=歪んでる)

という自虐の意が込められてるとも読めます。

そもそも人間のハートとは、他の武器や金といった「モノ」と異なり

  • 抽象的

なものという意味で、4つのシンボルの中では異端です。

さらには「喋りすぎたり、恐れをもつ者は負ける」ともあるので、ポーカーという場において一切の「心」の動きは不必要であると切り捨ててる覚悟も見えます。

という感じで、キリがなく解釈が広がっていく歌詞なのです。

歌詞に余白をつくり、想像を喚起させ、色々な意味をあてはめさせる。

Sting、凄いぜ…

それこそこの歌に出てくる男と同じように、只ならぬ作り手の才のようなものを感じました。

話は変わりますが、映画のナタリー・ポートマンは必見ですよね。

キアロスタミという映画監督が好きなのですが、以前インタビューを読んでたら「子どもに銃を持たせて殺しを覚えさせる、この映画が大っ嫌いだ…」とブチ切れていました。

実際、ナタリー・ポートマンですら、この作品は現代の視点で見るとほめられないと異を呈してます。

>>ナタリー・ポートマン、映画『レオン』は「今見ると不適切」

わかってるんだけど「レオン」はなんか嫌いになれない。

その理由の1つが、このテーマソングなのかな、と思うくらいに良い曲です。

Englishman In New York』も最高ですしね、毎日聞きたいくらい好き。

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