洋楽日和

オリジナルの洋楽和訳、紹介してます。

『青春の輝き』カーペンターズ 歌詞和訳|『I Need to Be in Love』Carpenters

今回は、カーペンターズ(Carpenters)の

  • 青春の輝き(I Need to Be in Love)

の歌詞を和訳したいと思います。

タイトルの意味は「恋をしないと」という感じです。

完璧な運命の人が現れるのを待ってしまう自分自身を反省しながらも、それを止められない(でも結婚したい)というような内容になっていました。

なぜ、この曲の邦題が「青春の瞬き」なのか…?

ちなみに、ボーカルのカレンはこの曲を気に入っていたようです(が、彼女の結婚は失敗に終わり、かつ悲しい最期を迎えていることを考えると、何とも言えない気持ちになります)

カーペンターズ(Carpenters)とは?

カーペンターズ(Carpenters)とは、アメリカ出身の兄妹ポップ・デュオである。

兄のリチャード・カーペンターが楽器を担当し、ボーカルを妹のカレン・カーペンターが務めた。

ロック全盛の1970年代に大きな成功を収め、アルバム・シングルの総売上枚数は1億枚を上回るといわれている。

1983年のカレンの死により活動を終えた。

(彼女の死因が拒食症に起因する心停止だったことから、摂食障害の危険性が広く認知されるようになったともいわれえれている)

代表曲として「遥かなる影」「イエスタデイ・ワンス・モア」「青春の輝き」など。

青春の輝き(I Need to Be in Love)という曲

青春の輝き(I Need to Be in Love)は、、1976年にカーペンターズが発表したシングル曲である。

作詞作曲は、リチャード・カーペンターとジョン・ベティスとアルバート・ハモントが務めた。

青春の輝き

青春の輝き

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日本では1995年のドラマ『未成年』のエンディングテーマとなり、人気を博した。

このため日本では(ボーカルのカレンが既に亡くなった後ではあったものの)同様に『未成年』のオープニングテーマ『トップ・オブ・ザ・ワールド』をカップリングとしたCDシングルが発売され、大ヒットを記録した。


www.youtube.com

青春の輝き(I Need to Be in Love)の歌詞

The hardest thing I've ever done
Is keep believing
There's someone in this crazy world for me
The way that people come and go
Through temporary lives
My chance could come and I might never know

I used to say, no promises
Let's keep it simple
But freedom only helps you say goodbye
It took a while for me to learn
That nothin' comes for free
The price I've paid is high enough for me

I know I need to be in love
I know I've wasted too much time
I know I ask perfection of a quite imperfect world
And fool enough to think that's what I'll find

So here I am with pockets full of good intentions
But none of them will comfort me tonight
I'm wide awake at four a.m.
Without a friend in sight
Hanging on a hope, but I'm alright

I know I need to be in love
I know I've wasted too much time
I know I ask perfection of a quite imperfect world
And fool enough to think that's what I'll find

I know I need to be in love
I know I've wasted too much time
I know I ask perfection of a quite imperfect world
And fool enough to think that's what I'll find

青春の輝き(I Need to Be in Love)の歌詞和訳

今までで一番難しかったのは

信じ続けること

この狂った世界にも、私の運命の人がいるんだって

儚い人生を通して 人々が行き交うように

チャンスが来るかもしれないし 永遠にわからないかもしれない

昔はよくこう言ったの 約束なんていらない

シンプルなままでいようって

だけど自由は あなたに「さよなら」を告げさせるだけだった

学ぶのにしばらく時間がかかったわ

無償では何も得られないって

それまでに私 十分過ぎる代償を払ってきたの

わかってる 恋をしないと

わかってる たくさん時間を無駄にしてきた

そう こんなにも不完全な世界で 完璧を求めてるって

バカなのよ 見つけられるって思ってるの

ほら 私のポケットは素敵な考えで満ちてるけど

今夜はそのどれもが 慰めてはくれそうにない

朝の4時に目が覚めても

近くには友達もいなくて

希望にしがみついてる でも大丈夫よ

サビ繰り返し×2

和訳のチェックポイント(単語・文法の解説)

以下、和訳のチェックポイントをまとめておく。

まず

The hardest thing I've ever done

今までで一番難しかったのは

Is keep believing

信じ続けること

There's someone in this crazy world for me

この狂った世界にも、私の運命の人がいるんだって

The way that people come and go

Through temporary lives

儚い人生を通して 人々が行き交うように

My chance could come and I might never know

チャンスが来るかもしれないし 永遠にわからないかもしれない

単語は

  • hardest:(hardの最上級)
  • keep~ing「~し続ける」
  • someone:(特別な)誰か
  • crazy:狂った
  • the way that S V「~のように」(副詞的)
  • temporary:一時的な

である。

The hardest thing(I've ever done)までが主語となる。

「believing(信じ続けること)」の内容(何を信じるのか?)が、続く「There's someone~」である。

自分にも運命の人がいるって、信じ続けることが何よりも難しい。

つまり、恋愛があまり上手ではなく将来を共にする相手が見つからない複雑な心境を描いている。

and I might never know

永遠にわからないかもしれない

「never」(ずっと~ない)を使っている点から、一生運命の人なんて自分には現れないかもしれないという悲しい心境も表現されている。

I used to say, no promises

昔はよくこう言ったの 約束なんていらない

Let's keep it simple

シンプルなままでいようって

But freedom only helps you say goodbye

だけど自由は あなたに「さよなら」を告げさせるだけだった

単語は

  • used to「かつて~だった」
  • promise「約束」
  • freedom「自由」
  • help 人 V「人がVするのを手伝う」

である。

昔は「約束」(=ずっと一緒にいようという誓い)を求めていなかった。

でも結局、自由な関係は(相手を繋ぎとめることができなかったし)大切な人は、自分の傍から立ち去ってしまったという過去を仄めかす。

It took a while for me to learn

学ぶのにしばらく時間がかかったわ

That nothin' comes for free

無償では何も得られないって

The price I've paid is high enough for me

それまでに私 十分過ぎる代償を払ってきたの

単語は

  • take 時間 to V「Vするのに(時間)かかる」
  • for free「無料で」
  • 形 enough「十分に~」

である。

傷つかずには何も得られない、と学ぶのに時間がかかった。

そして自分は十分すぎるくらいに代償を払ってきた。

つまり時間がかかったけど、もう散々に自分は恋愛で傷を負ってきた(そろそろ報われてもいいころだ)という流れ。

I know I need to be in love

わかってる 恋をしないと

I know I've wasted too much time

わかってる たくさん時間を無駄にしてきた

I know I ask perfection of a quite imperfect world

そう こんなにも不完全な世界で 完璧を求めてるって

And fool enough to think that's what I'll find

バカなのよ 見つけられるって思ってるの

単語は

  • need to「~する必要がある」
  • be in love「恋愛中
  • waste「(時間・金を)浪費する」
  • ask「求める」
  • a quite「かなり」
  • imperfect「不完全な」
  • fool「愚かな」

である。

時間を沢山無駄にして、恋に破れてきた。

それでも自分は、この狂った世界の中で完璧(な運命の人)を求めている。

(もう無理なんじゃないかと思ってるのにそれでも)見つけられると思ってる(=それくらい自分は愚かだという)自虐である。

So here I am with pockets full of good intentions

ほら 私のポケットは素敵な考えで満ちてるけど

But none of them will comfort me tonight

今夜はそのどれもが 慰めてはくれそうにない

I'm wide awake at four a.m.

朝の4時に目が覚めても

Without a friend in sight

近くには友達もいなくて

Hanging on a hope, but I'm alright

希望にしがみついてる でも大丈夫よ

「intentions」には

  • 「考え、目的」

という意味があるが、複数形で

  • 「(女性に対する男性の)結婚の意思」

という意味がある。

なので、ここでいう「素敵な考え」には「(自分と結婚を考えている)男性」が手中(自分のポケットの中)にいる」=「モテないわけではなく結婚しようと思えば、誰かと結婚できる(状況)」を仄めかしている気もする。

でも前述のように自分は「perfection(完璧な運命の相手)」を求めてしまうということ。

しかし、その誰もが今の自分のやるせなさを満たすことはできず一人ぼっち(=誰にも心を許せず、自分は恋をしていない)という状況とも解釈できるだろう。

ただ、希望にしがみついてる。

でも自分は大丈夫だ、と強がっている歌詞。

和訳した感想

ということで今回は、カーペンターズ(Carpenters)の

  • 青春の輝き(I Need to Be in Love)

の歌詞を和訳しました。

改めて和訳を確認して「こういう曲だったんだ!」と驚かれた人も多いかもしれませんね。

「青春の瞬き」という邦題で、昔「未成年」というドラマの曲としても大ヒットした曲になります。

実はティーン向けの歌詞ではなく、アラサー&アラフォー結婚したい未婚女子の心境を割とリアルに歌った曲という印象をもちました。

今の時代に生きていると「なぜそこまで恋愛しないといけないと思い込んでるんだ」と疑問に思うところもあります。

が、やはり昔の「結婚しないといけない」という女性に対するプレッシャーは相当だったでしょうね。

恋に不器用な女性像は、どこかボーカルのカレンと通じるものがあります。

彼女もカーペンターズのボーカルとして不動の名声や富を得たわけですが、自分と釣り合いのとれる相手を見つけようと結婚に苦労したそうです。

で、30歳の時にハンサムで裕福で実業家のトム・ハリスと結婚します。

一見、完璧な相手だったんですね。

カレンは、結婚して子供を産んで専業主婦になるのが夢(女はそうなるべきと母親に言われ続けていた)でした。

が、なんとこのトム・ハリスが実はパイプカットをしていて、子どもができない身体だったんですよね。

結婚式直前にその事実を知ったようなのですが、母親アグネスが世間体を気にしたために取り止めできなくなったとか。

当然のごとく生活は1年で破綻。

なのに、その僅かな月日で夫のトム・ハリスには1500万以上のお金を貸していたそうです。

裕福そうなハリスは実は吝嗇家で、ヘレンを「骨の袋」とさえ呼んでお金を無心していたという話もあります。

カレンはかつ拒食症の地獄を味わい、どんどんと衰弱。

結局、離婚届けにサインする前に心臓が止まってしまいました。

詳しくはこちらの記事をどうぞ

今の時代にヘレンが生まれていたら、拒食症になったり結婚に焦ったりせず、もっと自分らしい生き方ができなのかなと考えてしまうものがあります。

(日本はまだまだこういった問題が根強いですが)

社会的に成功してお金もあるんだったら天海祐希さんのようなスタンスが最高かな~と思うんですよね。

勿論、素敵な人と出会って結婚できる縁があれば、それはそれでOKですが。

でも「I need to be in love」そう歌いながら、ここまで恋愛至上主義になって苦しむ必要はない、と感じました。