洋楽日和

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『オンリー・イエスタデイ』カーペンターズ 歌詞和訳|『Only Yesterday』Carpenters

今回は、カーペンターズ(Carpenters)の

  • オンリー・イエスタデイ(Only Yesterday)

の歌詞を和訳したいと思います。

タイトルの「Only Yesterday」は「つい昨日(のこと)」というニュアンスで和訳しました。

それまで孤独だった自分の世界が、愛するあなたと出会ったことで劇的に変化したという内容の曲です。

カーペンターズ(Carpenters)とは?

カーペンターズ(Carpenters)とは、アメリカ出身の兄妹ポップ・デュオである。

兄のリチャード・カーペンターが楽器を担当し、ボーカルを妹のカレン・カーペンターが務めた。

ロック全盛の1970年代に大きな成功を収め、アルバム・シングルの総売上枚数は1億枚を上回るといわれている。

1983年のカレンの死により活動を終えた。

(彼女の死因が拒食症に起因する心停止だったことから、摂食障害の危険性が広く認知されるようになったといわれている)

代表曲として「遥かなる影」「イエスタデイ・ワンス・モア」「青春の輝き」など。

オンリー・イエスタデイ(Only Yesterday)という曲

オンリー・イエスタデイ(Only Yesterday)は、1975年にカーペンターズが発表したシングル曲。

カーペンターズがBillboard Hot 100でトップ10入りしたのは、この曲が最後となった。

作詞作曲は、リチャード・カーペンターズとジョン・ベティスが務めている。


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オンリー・イエスタデイ(Only Yesterday)の歌詞

After long enough of being alone
Everyone must face their share of loneliness
In my own time, nobody knew
The pain I was goin' through
And waitin' was all my heart could do

Hope was all I had until you came
Maybe you can't see how much you mean to me
You were the dawn breaking the night
The promise of mornin' light
Filling the world surroundin' me
When I hold you

Baby, baby, feels like maybe
Things will be all right
Baby, baby, your love's made me
Free as a song, singin' forever

Only yesterday when I was sad and I was lonely
You showed me the way to leave the past and all its tears behind me
Tomorrow maybe even brighter than today
Since I threw my sadness away
Only yesterday

I have found my home here in your arms
Nowhere else on earth I'd really rather be
Life waits for us, share it with me
The best is about to be
And so much is left for us to see
When I hold you

Baby, baby, feels like maybe
Things will be all right
Baby, baby, your love's made me
Free as a song, singin' forever

Only yesterday when I was sad and I was lonely
You showed me the way to leave the past and all its tears behind me
Tomorrow maybe even brighter than today
Since I threw my sadness away
Only yesterday (only yesterday, only yesterday)

Only yesterday when I was sad and I was lonely
You showed me the way to leave the past and all its tears behind me

オンリー・イエスタデイ(Only Yesterday)の歌詞和訳

十分すぎるくらい長い間 一人でいると

誰だって 孤独を分け合うことが難しくなる

だからその時が来ても 誰一人として気づかなかった

私が耐え抜いてきた苦しみに

できるのは待つことだけだった

望むばかりだった あなたが現れるまでは

多分わかってないわね 私にとってあなたがどれほど大切か

まるで闇を打ち破る夜明け

朝に光輝く約束

私を取り巻く世界を満たしてしまう

そう あなたを抱きしめると…

ベイビー ベイビー 多分

すべてがうまくいく気がする

ベイビー ベイビー あなたの愛が

私を自由にした 永遠に続く歌のように

つい昨日のことだった 悲しくて孤独で

そんな私に教えてくれた 過去と涙の手放し方を

明日は多分 今日よりもっと輝いている

悲しみを捨て去ったから

つい昨日のことなのよ

あなたの腕の中に自分の居場所を見つけた

これ以上の場所なんてどこにもないわ

待ち構えてる人生を 分かち合いましょう

お楽しみはこれからよ

知らないことがまだまだ沢山あるわ

そう あなたを抱きしめると…

ベイビー ベイビー 多分

すべてがうまくいく気がする

ベイビー ベイビー あなたの愛が

私を自由にした 永遠に続く歌のように

つい昨日のことだった 悲しくて孤独で

そんな私に教えてくれた 過去と涙の手放し方を

明日は多分 今日よりもっと輝いている

悲しみを捨て去ったから

つい昨日のことなのよ

つい昨日のことだった 悲しくて孤独で

そんな私に教えてくれた 過去と涙の手放し方を

和訳のチェックポイント(単語・文法の解説)

以下、和訳のチェックポイントをまとめておく。

まず

After long enough of being alone

十分すぎるくらい長い間 一人でいると

Everyone must face their share of loneliness

誰だって 孤独を分け合うことが難しくなる

「face」は「直面する」という意。

「Everyone must face their share of loneliness」は直訳すると「誰もが孤独を共有することに直面しなければならない」であるが、つまるところ

  • 独りでいる時間が長い
  • =孤独にすっかり慣れてしまった

ので、人と孤独といったパーソナルな感情を共有することが難しくなっているということ(しかし共有しないと、誰かと共に人生を過ごすことはできない)

In my own time, nobody knew

だからその時が来ても 誰一人として気づかなかった

The pain I was goin' through

私が耐え抜いてきた苦しみに

And waitin' was all my heart could do

できるのは待つことだけだった

「in one's own time」は「都合の良いときに」という意。

そろそろ自分が孤独から脱したいと思ってるとき、誰も自分の苦しみに気づいてくれず、ただ待ち続けていたという流れ。

  • nobody knew the pain ( I was goin' through )

で「the pain」の後ろは関係詞で修飾されている。

「go through」は「経験する」という意味の熟語である。

次に

Hope was all I had until you came

望むばかりだった あなたが現れるまでは

ここでの「hope」は「希望」の意だが

  • 私がもっていたのは希望だけ
  • (=希望に満ちている)

というニュアンスではなく、ただ自分を孤独から救ってくれる存在を待ち続けていた(=望むことしかできなかった)という前述の流れを汲んで「望むばかりだった」と和訳した。

そんな自分にとって


Maybe you can't see how much you mean to me

多分わかってないわね 私にとってあなたがどれほど大切か

あなたはようやく現れた「希望」そのもので、すごく大切な存在だということ。

どれくらいの存在かと言うと


You were the dawn breaking the night

まるで闇を打ち破る夜明け

The promise of mornin' light

朝に光輝く約束

Filling the world surroundin' me

私を取り巻く世界を満たしてしまう

孤独(=暗闇)にいた自分の世界を明るく照らす光であり、新しい一日(=人生)が始まるということ。

When I hold you

そう あなたを抱きしめると…

以下、「あなたを抱きしめる」とこのような気持ちになるというサビ。

Baby, baby, feels like maybe

ベイビー ベイビー 多分

Things will be all right

すべてがうまくいく気がする

Baby, baby, your love's made me

ベイビー ベイビー あなたの愛が

Free as a song, singin' forever

私を自由にした 永遠に続く歌のように

さらにこの曲のタイトルにもなっている箇所として

Only yesterday when I was sad and I was lonely

つい昨日のことだった 悲しくて孤独で

You showed me the way to leave the past and all its tears behind me

そんな私に教えてくれた 過去と涙の手放し方を

「Only yesterday when I was sad and I was lonely」の「when」は「yesterday」を修飾する関係副詞と考えた。

つい昨日までは、悲しくて孤独だった。

しかしあなたが現れて、過去と涙の手放し方を理解した(=孤独から脱することができた)

これは先ほどの

You were the dawn breaking the night

まるで闇を打ち破る夜明け

The promise of mornin' light

朝に光輝く約束

Filling the world surroundin' me

私を取り巻く世界を満たしてしまう

と同じ内容で、昨日(=暗闇、孤独、悲しみ)を今日(=あなたの存在、光、希望)が一瞬で打ち消してしまったという流れ。

「only yesterday(つい昨日)」まで抱えていた孤独を、たった一瞬で打ち消すほどに「あなた」の出現が自分にとって大きく強烈だということを仄めかしている歌詞ともいえる。

だから

Tomorrow maybe even brighter than today

明日は多分 今日よりもっと輝いている

Since I threw my sadness away

悲しみを捨て去ったから

Only yesterday

つい昨日のことなのよ

「今日」よりも「明日」はさらに光り輝くはずだ。

だって、たった1日(あなたが現れただけ)でこれほどまでに自分の世界は変わったのだから、という意。

「since」は「~から(理由)」の意で訳した。

2番は

I have found my home here in your arms

あなたの腕の中に自分の居場所を見つけた

Nowhere else on earth I'd really rather be

これ以上の場所なんてどこにもないわ

Life waits for us, share it with me

待ち構えてる人生を 分かち合いましょう

The best is about to be

お楽しみはこれからよ

And so much is left for us to see

知らないことがまだまだ沢山あるわ

「share it」の「it」は「life」を指す。

人生を一人で歩むのではなく「共に歩む(=これから一緒に生きていく)」ことを示唆する。

「The best is about to be」は「最高のこと」が「be about to be(これから~になる)」という未来を暗示。

「so much is left for us」は「私たちには多くのことが残されている」で「to see」は「見るべき」つまり

  • まだ知らないこと(未知のこと)

が多く残されている(=人生はまだ先が長い)ということ。

和訳した感想

ということで今回は、カーペンターズ(Carpenters)の

  • オンリー・イエスタデイ(Only Yesterday)

の歌詞を和訳しました。

「つい昨日のこと」と和訳するとワンナイトラブ(?)のように思えてしまうかもしれませんが、あくまで比喩表現なのだと思います。

つまり、ついこないだまで孤独だったのに、あなたの存在で世界がガラッと変わった。

その変わりっぷりを、孤独な昨日からの夜明けとして表現しているわけです。

とても純粋で幸せに満ちた曲。

カーペンターズらしいと感じる一方で(曲調も明るい)なんとなく危ういと感じてしまうのは私だけでしょうか。

人との出会いで人生は変わる、というのは紛れもなく事実です。

が、それはあくまでキッカケや学びを得て視野が広がるというもので、孤独を埋めるための依存心に同化すると、長続きしないのではないでしょうか。

なんというか、白馬の王子様を夢見たままの乙女のような危うさを感じます。

カレン・カーペンターズの最期を知っているからこそ、その歌声にどこか悲劇的なものを見出してしまうのでしょうか。

一人でも、二人でも、ずっと朝日を浴びていられるような、そういう人生がいいなと個人的には思いました。

またこの曲を聞いて、改めて

  • ビートルズ「イエスタデイ」

は、すごいなと思いましたね。

普通はこういう感じで「昨日(=闇、ネガティブ)」「今日(=光、ポジティブ)」にしがちなんですが、ポール・マッカートニーは違うんですよ。

シンプルだけど、ちゃんと捻りというか意外性があって実は深い曲なんですよね。

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