今回は、Taylor Swift(テイラー・スウィフト)の
- Cruel Summer(クルーエル・サマー)
の歌詞を和訳したいと思います。
タイトルの意味は
- 残酷な夏
で、因縁の仲であるカニエ・ウェストと2016年の夏に揉めていたことを想起させます。
※同じ名前のアルバムを2012年にカニエがリリースしてる。
ただ歌の内容は、争いに関するものではなく単純に恋人へのラブソングになっていますね。
Taylor Swift(テイラー・スウィフト)って?
テイラー・スウィフト(Taylor Swift)はアメリカン合衆国のシンガーソングライター。
1989年12月13日生まれ。
2006年(17歳)でアルバム『Taylor Swift』をリリース。
翌年の2007年、3枚目のシングル「Our Song」が大ヒットを記録、カントリーチャートで6週連続1位を記録した。
2008年には、セカンド・アルバム『Fearless』をリリース。
1週間で59万2000枚売り上げ、2009年の全米でトップセールスアルバムとなった。
実体験を基にしたリアルな曲は、多くの女性ファンを魅了し、今もなお世界中のファンに愛されているアーティストの1人。
Cruel Summer(クルーエル・サマー)という曲
テイラー・スウィフトの2019年にリリースされた7枚目のアルバム「Lover」に収録されている楽曲の1つ。
Cruel Summer(クルーエル・サマー)の歌詞
Fever dream high
In the quiet of the night
You know that I caught it (oh yeah, you're right, I want it)
Bad, bad boys
Shiny toy with a price
You know that I bought it (oh yeah, you're right, I want it)Killing me slow, out the window
I'm always waiting for you to be waiting below
Devils roll the dice, angels roll their eyes
What doesn't kill me makes me want you moreAnd it's new
The shape of your body, it's blue
The feeling I've got
And it's blue, whoa oh
It's a cruel summerIt's cool
That's what I tell 'em, no rules
In breakable Heaven but
Ooh, whoa oh
It's a cruel summer
With youHang your head low
In the glow of the vending machine
I'm not dying (oh yeah, you're right, I want it)
We say that we'll just screw it up in these trying times
We're not trying (oh yeah, you're right, I want it)So cut the headlights
Summer's a knife
I'm always waiting for you
Just to cut to the bone
Devils roll the dice
Angels roll their eyes
And if I bleed
You'll be the last to knowOh, it's new
The shape of your body, it's blue
The feeling I've got
And it's blue, whoa oh
It's a cruel summerIt's cool
That's what I tell 'em, no rules
In breakable Heaven but
Ooh, whoa oh
It's a cruel summer
With youI'm drunk in the back of the car
And I cried like a baby coming home from the bar (oh)
Said, "I'm fine", but it wasn't true
I don't wanna keep secrets just to keep you
And I, snuck in through the garden gate
Every night that summer just to seal my fate (oh)
And I screamed, "For whatever it's worth"
"I love you, ain't that the worst thing you ever heard?"He looks up, grinning like a devil
It's new
The shape of your body, it's blue
The feeling I've got
And it's blue, whoa oh
It's a cruel summerIt's cool
That's what I tell 'em, no rules
In breakable Heaven but
Ooh, whoa oh
It's a cruel summer
With youI'm drunk in the back of the car
And I cried like a baby coming home from the bar (oh)
Said, "I'm fine", but it wasn't true
I don't wanna keep secrets just to keep you
And I, snuck in through the garden gate
Every night that summer just to seal my fate (oh)
And I screamed, "For whatever it's worth"
"I love you, ain't that the worst thing you ever heard?"
Cruel Summer(クルーエル・サマー)の歌詞和訳
夜の静寂 熱でうなされるような高揚感
あなたもそれを知ってるでしょ(そう 望んでる)
悪い男の子に 高価なピカピカのおもちゃ
私が買ったって知ってるでしょ(そう 望んでる)
*
徐々に耐えられなくなる 窓の外に
いつだって期待する あなたが下で待ってると
悪魔がサイコロを振り 天使が目を泳がせるわ
死ぬほどつらい気持ちで もっとあなたを求めるの
新しいのね あなたの身体の形
ブルーなの 私の気持ち
そう それは
残酷な夏なのよ
素敵ねって 彼らにそう伝えたの
壊れやすい天国にルールはない
でも
残酷な夏を
あなたと一緒に
*
自販機の光から隠れるよう あなたは下を向く
私は死なない(そう 望んでる)
何度か試みて ヘマするだけのこと
まだ私たち挑戦もしてないの(そう 望んでる)
*
ヘッドライトを切り裂く 夏のナイフ
私はいつもギリギリまであなたを待っている
悪魔がサイコロを振り 天使が目を泳がせるわ
もし血を流しても あなたには知らせないから
*
サビ繰り返し
*
車の後部座席で酔っぱらって
バーからの帰り道 赤ちゃんのように泣いた
「大丈夫」って言ったけど 本音じゃないの
あなたといるために秘密をもつのはイヤ
だから庭の門からそっと擦り抜けた
あの夏は毎晩 私の運命を左右したわ
叫んだの「こんなこと言って意味があるかわからない
でも あなたを愛してる
今まで聞いたなかで最悪の言葉でしょう?」
彼は見上げる 悪魔みたいにニヤリと笑いながら
*
サビ繰り返し
和訳チェックポイント(単語の意味・文法など)
以下、和訳のチェックポイントをまとめておく。
まず
Fever dream high
In the quiet of the night
夜の静寂 熱でうなされるような高揚感
「Fever dream」は発熱の中で見る悪夢のようなネガティブな意味を持つ単語。
そこに「high」といった気持ちが高揚するポジティブな意味を掛け合わせることで
- 静かな夜(に会う秘密の関係)
である二人の
- 罪悪感、後ろ暗さ(ー)
- 高揚感、スリル(+)
を表現しているといえる(テイラーが恋人との関係を世間に伏せてる様を表すともいえる)
Killing me slow, out the window
徐々に耐えられなくなる 窓の外に
I'm always waiting for you to be waiting below
いつだって期待にする あなたが下で待ってくれると
単語は
- killing me「耐えられない」
窓の外を見て、下に彼が来るのを待つという構図は
- ロミオとジュリエット
を想起させるものであり、テイラーの初期の代表曲「Love Story」と重なる部分がある。
Devils roll the dice, angels roll their eyes
悪魔がサイコロを振り 天使が目を泳がせるわ
歌詞の解説は後方に回すが「Lover」のPVでボードゲーム名として挿入されていると言及しておく。
また曲中の「blue(ブルー)」という色彩表現も、同アルバムに収録されている「Lover」とリンクしている。
続く
死ぬほどつらい気持ちで もっとあなたを求めるの
What doesn't kill me makes me want you more
のもとはニーチェの『偶像の黄昏』の一節
What doesn't kill you makes you stronger
私を殺さないものは、私をいっそう強くする
(生ある限り、全てが試練だ)
であり
- What doesn't kill you(あなたを殺さないもの)
つまり死にはしない(が、辛い出来事)を表している。
※ケリー・クレークソン「ストロンガー」やワン・リパブリック「カウンティング・スターズ」といった曲にも同じ言い回しが使われている。
サビ部分の
It's a cruel summer
残酷な夏
は、因縁の仲であるカニエ・ウェストが2012年に発表したコンピレーションアルバム名と同じものになる。
ここから2016年夏、カニエ・ウェストの楽曲「Famous」の歌詞を巡り、テイラーとカニエ夫妻がいがみ合っていた様を暗示してるといわれる。
I'm always waiting for you
Just to cut to the boneいつもギリギリまで私はあなたを待っている
単語は
- cut to the bone「ぎりぎりまで切り詰める」
である。
And I snuck in through the garden gate
だから庭の門からそっと擦り抜けた
Every night that summer just to seal my fate (oh)
あの夏は毎晩 私の運命を左右した
And I screamed, "For whatever it's worth"
叫んだわ「こんなこと言って意味があるかわからない
単語は
- seal one's fate「~の運命を決める」
- For whatever it's worth「こんなことを言っても価値があるかわかりませんが」
という意味。
「the garden gate」というのは突飛なようだが、テイラーは同様にロミオとジュリエットにインスピレーションを受けてる「Love Story」という曲の中でも
So I sneak out to the garden to see you
庭へと抜け出すわ 貴方に会うために
We keep quiet, 'cause we're dead if they knew
ふたりは沈黙したまま だってバレたら死んでしまうわ
と歌っている。
庭とは、二人が秘密の蜜月を過ごす場のメタファーと考えるのが自然。
「Love Story」で描かれた季節も「夏」であったことや、同アルバムに収録されている「Lover」でも
I've loved you three summers now, honey, but I want 'em all
あなたを愛してから 3度目の夏が来た
でもすべての夏を一緒に過ごしたいの
と歌っていることから、彼女にとって「夏」は恋人との愛を深める季節なのかもしれない。
最後に
He looks up, grinning like a devil
彼は見上げる 悪魔みたいにニヤリと笑いながら
という表現から
- devil(=彼)
であることが判明し、おそらく冒頭の「bad boy」も彼を指すのだろうと推測できる。
とすると
Devils roll the dice, angels roll their eyes
悪魔がサイコロを振り 天使が目を泳がせるわ
という表現も、彼の少し危うい行動によって二人の関係が左右されて、天使(=スウィフト)がそれを注意深く見守ってる様を表すと言えるかもしれない。
和訳した感想
ということで今回の記事ではTaylor Swift(テイラー・スウィフト)の
- Cruel Summer(クルーエル・サマー)
を和訳してみました。
訳してみたものの予想以上に意味が曖昧で、精読が難しいと感じた詞でした。
なんか「Lover」を訳したときは地に足が付いて良かったと書きましたが、この曲を訳したらまた彼女の恋の行方が少し心配になってきました。
まあ自分でも言ってますが、スリルが好きなんでしょうね~
でも永遠の愛を誓いたいんですよね~
複雑な乙女心ってやつですかね(笑)
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テイラースイフトは、自分の恋をベースに曲を制作することが多いです。
なので同時期に作られた曲は、同じ相手との恋を歌っているのかしら…とこちらの想像力が喚起されるものがあります。
和訳解説で言及した初期の代表作「Love Story」などを改めて聞きなおして、比較するのも面白いかもしれません。