今回は、カーペンターズ(Carpenters)の
- 愛にさよならを(Goodbye to Love)
の歌詞を和訳したいと思います。
愛を求めるのを止めて、愛にサヨナラをして生きていく、という悲しい決意を歌った曲になります。
約10年後に、この世を去ったボーカルのカレン・カーペンターが(兄ばかりを愛する)母親からの愛に飢えていたというエピソードも有名で余計に切なさを帯びる曲だなと感じました。
カーペンターズ(Carpenters)とは?
カーペンターズ(Carpenters)とは、アメリカ出身の兄妹ポップ・デュオである。
兄のリチャード・カーペンターが楽器を担当し、ボーカルを妹のカレン・カーペンターが務めた。
ロック全盛の1970年代に大きな成功を収め、アルバム・シングルの総売上枚数は1億枚を上回るといわれている。
1983年のカレンの死により活動を終えた。
(彼女の死因が拒食症に起因する心停止だったことから、摂食障害の危険性が広く認知されるようになったともいわれえれている)
代表曲として「遥かなる影」「イエスタデイ・ワンス・モア」「青春の輝き」など。
愛にさよならを(Goodbye to Love)という曲
愛にさよならを(Goodbye to Love)は、1972年にカーペンターズが発表した曲。
作曲は、リチャード・カーペンターとジョン・ベティスが行った。
ラブバラードの途中にファズギターのソロを入れるというのは、作曲者のリチャードの案である。
「カーペンターズは裏切ってハードロックに転向した」と賛否両論あったそうだが、今では曲の独自性を高く評価する声も多い。
愛にさよならを(Goodbye to Love)の歌詞
I'll say goodbye to love
No one ever cared if I should live or die
Time and time again the chance for love has passed me by
And all I know of love
Is how to live without it
I just can't seem to find itSo I've made my mind up
I must live my life alone
And though it's not the easy way
I guess I've always known
I'd say goodbye to loveThere are no tomorrows for this heart of mine
Surely time will lose these bitter memories
And I'll find that there is someone to believe in
And to live for something I could live forAll the years of useless search
Have finally reached an end
Loneliness and empty days will be my only friend
From this day love is forgotten
I'll go on as best I canWhat lies in the future
Is a mystery to us all
No one can predict the wheel of fortune as it falls
There may come a time when I will see tha I've been wrong
But for now this is my songAnd it's goodbye to love
I'll say goodbye to love
愛にさよならを(Goodbye to Love)の歌詞和訳
愛にさよならを告げるわ
今まで誰も気にしなかった 私が生きてるか死んでるか
何度も繰り返し 愛のチャンスは通り過ぎていった
たった一つ 愛について知ってることは
それなしで生きていく方法だけ
だって私には 愛を見つけられそうにないから
*
決心したの
たった独りで 人生を生きていこうと
それは簡単な道じゃないけれど
思うの いつもわかってた
私は愛にさよならを告げるだろうって
*
この心に明日なんて存在しない
きっと 時間は苦い記憶を忘れさせてくれる
そしたら私も気づくわ 信じるべき人に
この人のために生きたいと思える人 生きがいの存在に…
*
意味なく探し求めた年月も
ついに終わりを迎えて
孤独で空虚な日々は 唯一の友となる
今日から 愛は忘れて
精一杯 生きていくから
*
未来に起きることは
誰にとっても謎でしかなく
”運命の輪”を 自分の身に降りかかってくるまでに
予言できる人はどこにもいない
私が間違っていたって
気づくときが来るかもしれないけど
今は これが私の歌
*
愛にさよならを、という歌
愛にさよならを告げて
和訳のチェックポイント(単語・文法の解説)
以下、和訳のチェックポイントをまとめておく。
まず
I'll say goodbye to love
愛にさよならを告げるわ
No one ever cared if I should live or die
今まで誰も気にしなかった 私が生きてるか死んでるか
Time and time again the chance for love has passed me by
何度も繰り返し 愛のチャンスは通り過ぎていった
And all I know of love
たった一つ 愛について知ってることは
Is how to live without it
それなしで生きていく方法だけ
I just can't seem to find it
だって私には 愛を見つけられそうにないから
単語は
- care「気にする」
- Time and time again「何回も」
- pass by「通り過ぎる」
- how to「~する方法」
- seem to「~のようだ」
である。
So I've made my mind up
決心したの
I must live my life alone
たった独りで 人生を生きていこうと
And though it's not the easy way
それは簡単な道じゃないけれど
I guess I've always known
思うの いつもわかってた
I'd say goodbye to love
私は愛にさよならを告げるだろうって
単語は
- make up one's mind「決心する」
- though「けれども」
である。
「I guess I've always known」から、単なる一時的な失恋を歌っているというよりも、ずっと昔から孤独を感じながら生きてきたという背景が示唆される。
There are no tomorrows for this heart of mine
この心に明日なんて存在しない
Surely time will lose these bitter memories
きっと 時間は苦い記憶を忘れさせてくれる
And I'll find that there is someone to believe in
そしたら私も気づくわ 信じるべき人に
And to live for something I could live for
この人のために生きたいと思える人 生きがいの存在に…
単語が
- surely「きっと」
- someone「だれか」
- something「何か」
である。
「And to live for something I could live for」に関しては、前文を考慮して「for」の後が切れてると解釈し
- someone to believe in and to live for
- something I could live for
この2つが「I'll find that there is(~があると気づく)」の内容だと考えた。
All the years of useless search
意味なく探し求めた年月も
Have finally reached an end
ついに終わりを迎えて
Loneliness and empty days will be my only friend
孤独で空虚な日々は 唯一の友となる
From this day love is forgotten
今日から 愛は忘れて
I'll go on as best I can
精一杯 生きていくから
単語は
- useless「無駄な」
- search「探求」
- loneliness「孤独」
- empty「空っぽな」
- as best I can「できるだけ」
である。
自分がずっと求め続けていて手に入れられなかった「愛」を探すことを止める。
唯一残った孤独と空虚な日々を「友人」として前向きに受け入れて、精一杯生きていくいうこと。
What lies in the future
未来に起きることは
Is a mystery to us all
誰にとっても謎でしかなく
No one can predict the wheel of fortune as it falls
”運命の輪”を 自分の身に降りかかってくるまでに
予言できる人はどこにもいない
There may come a time when I will see that I've been wrong
私が間違っていたって
気づくときが来るかもしれないけど
But for now this is my song
今は これが私の歌
単語は
- lie「ある」
- mystery「ミステリー」
- predict「予言する」
- the wheel of fortune「運命の輪」
- see「気づく」
- wrong「間違ってる」
である。
「the Wheel of Fortune」は、運命の気まぐれな性質を象徴する表現である。
縦に置かれてる輪の上にあったものが、くるっと回転して下に落ちる(fall)ようなイメージで、幸不幸が入れ替わるような様。
「I will see that I've been wrong」は愛に別れを告げるという自分の決断を後悔する日が来るかもしれない、という意。
And it's goodbye to love
愛にさよならを、という歌
I'll say goodbye to love
愛にさよならを告げて
ここでの「it」は前文の「my song」を指す(=つまりこの曲のこと)
和訳した感想
ということで今回は、カーペンターズ(Carpenters)の
- 愛にさよならを(Goodbye to Love)
の歌詞を和訳しました。
これはすごく悲しい曲ですね、個人的に共感できる部分が多くて、余計に辛くなりました。
I'll say goodbye to love
愛にさよならを告げるわ
No one ever cared if I should live or die
今まで誰も気にしなかった 私が生きてるか死んでるか
Time and time again the chance for love has passed me by
何度も繰り返し 愛のチャンスは通り過ぎていった
And all I know of love
たった一つ 愛について知ってることは
Is how to live without it
それなしで生きていく方法だけ
I just can't seem to find it
だって私には 愛を見つけられそうにないから
って、すごく辛いです。
ひとりで生きていく、と決めたところで無理なんですよね。
どうしたって誰かの助けを借りて自分は生きている、沢山の人の存在があって社会は回っていて。
ずっと孤独に部屋にこもって死ぬまで生きていけるか
といったら絶対にできない…
ちなみに以前、TEDで「最も長期にわたる幸福の研究」という動画を見ていたところ
第一に周りとの繋がりは健康に本当に良いということ
孤独は命とりで
家族、友達、コミュニティとよくつながってる人ほど
幸せで身体的に健康で
繋がりの少ない人より長生きすることがわかりました
と語られていました。
人間は本当に、社会的動物なのだなと痛感する内容でした。
求めると手に入らないのが悲しくて、すごく辛いから手放す(愛に執着せずにサヨナラを告げる)という考え方、すごく共感できるものがあります。
でも、わざわざサヨナラを告げる必要はないんですよね。
わざわざ「サヨナラ」なんて告げるのは、どうしても欲しくて、気になってしまうから、無理やりに心に納得させてるのではと思う部分があります。
別れを告げてるのに、囚われてるということです
この矛盾に気づいてるから「Surely time will lose these bitter memories」と一歩引いたところで自分を見ようとしているし
There may come a time when I will see that I've been wrong
私が間違っていたって
気づくときが来るかもしれないけど
と、途中のフレーズで歌っていたりします。
希望を捨てきれない、そこがこの曲の明るさでありながらも、すごく切ない部分なのではと感じました。