今回は、Beatles(ビートルズ)の
- Hey Jude(ヘイ・ジュード)
の歌詞を和訳したいと思います。
この曲は元々「ヘイ・ジュールズ」というタイトルで、ジョン・レノンの息子ジュリアン(愛称はジュールズ)のために作られました。
父親を知らなかったジョン・レノン。
彼は子供とのふれあい方が解らず、息子とも距離を置く傾向にありました。
一方で彼以上に、ジュリアンを可愛がったのがポール・マッカートニです。
We had a great friendship going and there seems to be far more pictures of me and Paul playing together at that age than there are pictures of me and my dad.
僕たちは素晴らしい友情を築いていたし、僕と父の写真より同じ時期に、僕とポールが一緒に遊んでいる写真の方がずっと多かったみたいさ
しかしオノ・ヨーコとの不倫の末、ジョン・レノンは学生時代からの付き合いだった妻シンシアと別れを決めました。
この状況を心配したポール・マッカートニーがシンシアとジュリアンを訪ねる道中、一つの曲を思いつきます。
この歌はまず『ヘイ・ジュールズ』というところから始まった。
つまり、ジュリアンに向かって“Don’t make it bad, take a sad song and make it better”と。
『ほら、頑張ってこの苦しみを乗り越えるんだよ』って。彼には辛いことだったはずだから」
(メニ―・イヤーズ・フロム・ナウ)
それが「ヘイ・ジュード」です。
この曲は、全世界で1300万枚のセールスを記録する大ヒットとなりました。
Wikipediaによると、この曲のレコーディング原稿が1996年にオークションにかけられた際「ポールが僕の為に書いてくれた曲だから」とジュリアン自身が2万5千ポンドで落札したそうです。
Beatles(ビートルズ)とは?
Beatles(ビートルズ)とは、イギリス・リヴァプール出身のロックバンド。ジョン・レノンがバンド「クオリーメン」を1957年に結成したのが始まり。
1960年に「ザ・ビートルズ」と改名、1962年にレコードデビュー。1970年に解散した。
デビュー直前のドラマー交代以後、基本編成として
- ジョン・レノン(リズムギター)
- ポール・マッカートニー(ベース)
- ジョージ・ハリソン(リードギター)
- リンゴ・スター(ドラムス)
という4人で活動を行った。
オリジナル曲は、すべてメンバーが作詞作曲を務めている。
リード・ボーカルは基本的に作詞作曲した者が担当しており、こちらに一覧がある。
全213曲中144曲(全体の約68%)は「レノン=マッカートニー」共同クレジット曲。
共作もしくは、どちらかのみが作詞・作曲をしても「レノン=マッカートニー」名義を使っている。
Hey Jude(ヘイ・ジュード)という曲
Hey Jude(ヘイ・ジュード)は、1968年8月に発表されたビートルズ18枚目のシングル曲である。
レノン=マッカートニー名義だが、ポール・マッカートニーが単独で作詞作曲を行った。
リード・ボーカルおよびピアノも彼が担当しており、後半リフレイン部分のオーケストラ指揮も行っている。
Hey Jude(ヘイ・ジュード)の歌詞
Hey Jude, don't make it bad
Take a sad song and make it better
Remember to let her into your heart
Then you can start to make it betterHey Jude, don't be afraid
You were made to go out and get her
The minute you let her under your skin
Then you begin to make it betterAnd anytime you feel the pain
Hey Jude, refrain
Don't carry the world upon your shoulders
For well you know that it's a fool
Who plays it cool
By making his world a little colder
Na-na-na, na, na
Na-na-na, naHey Jude, don't let me down
You have found her, now go and get her (let it out and let it in)
Remember to let her into your heart (hey Jude)
Then you can start to make it betterSo let it out and let it in
Hey Jude, begin
You're waiting for someone to perform with
And don't you know that it's just you
Hey Jude, you'll do
The movement you need is on your shoulder
Na-na-na, na, na
Na-na-na, na, yeahHey Jude, don't make it bad
Take a sad song and make it better
Remember to let her under your skin
Then you'll begin to make it better
Better better better better better, ah!Na, na, na, na-na-na na (yeah! Yeah, yeah, yeah, yeah, yeah, yeah)
Na-na-na na, hey Jude
Na, na, na, na-na-na na
Na-na-na na, hey Jude
Na, na, na, na-na-na na
Na-na-na na, hey Jude
Na, na, na, na-na-na na
Na-na-na na, hey Jude (Jude Jude, Judy Judy Judy Judy, ow wow!)
Na, na, na, na-na-na na (my, my, my)
Na-na-na na, hey Jude (Jude, Jude, Jude, Jude, Jude)
Na, na, na, na-na-na na (yeah, yeah, yeah)
Na-na-na na, hey Jude (yeah, you know you can make it, Jude, Jude, you're not gonna break it)
Na, na, na, na-na-na na (don't make it bad, Jude, take a sad song and make it better)
Na-na-na na, hey Jude (oh Jude, Jude, hey Jude, wa!)
Na, na, na, na-na-na na (oh Jude)
Na-na-na na, hey Jude (hey, hey, hey, hey)
Na, na, na, na-na-na na (hey, hey)
Na-na-na na, hey Jude (now, Jude, Jude, Jude, Jude, Jude)
Na, na, na, na-na-na na (Jude, yeah, yeah, yeah, yeah)
Na-na-na na, hey Jude
Na, na, na, na-na-na na
Na-na-na na, hey Jude (na-na-na-na-na-na-na-na-na)
Na, na, na, na-na-na na
Na-na-na na, hey Jude
Na, na, na, na-na-na na
Na-na-na na, hey Jude
Na, na, na, na-na-na na (yeah, make it, Jude)
Na-na-na na, hey Jude (yeah yeah yeah yeah yeah! Yeah! Yeah! Yeah! Yeah!)
Na, na, na, na-na-na na (yeah, yeah yeah, yeah! Yeah! Yeah!)
Na-na-na na, hey Jude
Na, na, na, na-na-na na
Na-na-na na, hey Jude
Na, na, na, na-na-na na
Na-na-na na, hey Jude
Na, na, na, na-na-na na
Na-na-na na, hey Jude
Hey Jude(ヘイ・ジュード)の歌詞和訳
なぁ ジュード そんなに落ち込むなよ
悲しい曲でも聞いて 元気を出そうぜ
彼女に心を開くのを忘れないように
そうすれば もっと良い方向に向かっていくさ
*
なぁ ジュード 怖がるなって
君は飛び出して 彼女を手にいれるべきなのさ
彼女の虜にさせられた瞬間
もっと状況は良くなり始めるさ
*
いつだって 心に痛みを感じるときは
なぁ ジュード いいんだよ
全部 自分一人で背負い込まなくていいんだ
だってわかるだろ そんな奴はバカだって
世界を斜めに見ながら 冷静なフリしてる奴なんてさ
*
なぁ ジュード 俺をがっかりさせるなよ
君は彼女を見つけた 今からつかまえに行くんだ
(気持ちを伝えて 受け入れるんだ)
彼女に心を開くのを忘れないように
そうすれば もっと良い方向に向かっていくぜ
*
だから気持ちを伝えて 受け入れて なぁ ジュード 始めようぜ
待ってるよな 一緒にしてくれる誰かを
わからないのかよ お前しかいないんだ なぁ ジュード やるんだ
やるべきことは お前次第なんだ
*
なぁ ジュード そんなに落ち込むなよ
悲しい曲でも聞いて 元気を出そうぜ
彼女に夢中になるのを忘れないで
そうすれば もっと良い方向に向かっていく
もっと もっと もっと もっと もっと良くなるんだ
*
コーラス部分
和訳のチェックポイント(単語・文法など)
以下、和訳のチェックポイントをまとめておく。
まず
Hey Jude, don't make it bad
なぁ ジュード そんなに落ち込むなよ
Take a sad song and make it better
悲しい曲でも聞いて 元気を出そうぜ
Remember to let her into your heart
彼女に心を開くのを忘れないように
Then you can start to make it better
そうすれば もっと良い方向に向かっていくさ
単語は
- make O C「OをC(の状態)にする」
- let ~ into...「~に...を明かす」
「make it better」「make it better」の「it」は漠然とした状況を表す「it」として捉えた。
「Take a sad song and make it better」は「it」をどう捉えるかで色々と解釈があると思う。
個人的には悲しい時だからこそ、悲しい歌詞を手に取り、苦しみを発散してよりプラスの方向に向かうというのは自然な流れと考えた。
(辛いときに明るい曲を聞いても辛さが増すだけ)
「it」を「a sad song」と考えて、悲しい曲も(お前次第で)マシなもんになるさという解釈も可能。
Hey Jude, don't be afraid
なぁ ジュード 怖がるなって
You were made to go out and get her
君は飛び出して 彼女を手にいれるべきなのさ
The minute you let her under your skin
彼女の虜にさせられた瞬間
Then you begin to make it better
もっと状況は良くなり始めるさ
単語は
- be made to「~するようになっている」
- the minute「~した瞬間に」
- under your skin「~を魅了する」
である。
特にこの部分のフレーズに関してジョン・レノンは、自分とオノ・ヨーコを祝福するメッセージと捉えたという。
And anytime you feel the pain
いつだって 心に痛みを感じるときは
Hey Jude, refrain
なぁ ジュード いいんだよ
Don't carry the world upon your shoulders
全部 自分一人で背負い込まなくていいんだ
For well you know that it's a fool
だってわかるだろ そんな奴はバカだって
Who plays it cool
By making his world a little colder
世界を斜めに見ながら 冷静なフリしてる奴なんてさ
単語は
- anytime「いつでも」
- pain「痛み、苦痛」
- refrain「慎む」
- For「というのも~」
- fool「バカ、愚か者」
- play it cool「冷静に構える」
「refrain」には「(欲望を抑える意で)我慢する」という訳語もあるがここでは「(自分に害あることを)慎む」の意で解釈した。
苦労や悲しみを背負い込んで苦しむ相手に対して、そんなことはしなくていいんだと言ってる様。
余りの辛さに余裕ぶって、世界はこんなもんさ、と諦観する態度に否を突き付ける。
何故なら、もっと人に頼っていい。
重荷は独りで背負わず、だれかと分かち合うこともできるんだぜ、という流れ。
Hey Jude, don't let me down
なぁ ジュード 俺をがっかりさせるなよ
You have found her, now go and get her (let it out and let it in)
君は彼女を見つけた 今からつかまえに行くんだ
(気持ちを伝えて 受け入れるんだ)
Remember to let her into your heart (hey Jude)
彼女に心を開くのを忘れないように
Then you can start to make it better
そうすれば もっと良い方向に向かっていくぜ
単語は
- let ~ down「~をがっかりさせる」
- let it out「吐き出す」
である。
So let it out and let it in
だから気持ちを伝えて 受け入れて
Hey Jude, begin
なぁ ジュード 始めようぜ
You're waiting for someone to perform with
待ってるよな 一緒にしてくれる誰かを
And don't you know that it's just you
わからないのかよ お前しかいないんだ
Hey Jude, you'll do
なぁ ジュード やるんだ
The movement you need is on your shoulder
やるべきことは お前次第なんだ
単語は
- someone「誰か」
- perform with「~と一緒に行う」
- just「~だけ」
- movement「行動、動き」
「The movement you need is on your shoulder」は「君に必要な行動は、君の肩にかかってる」つまり何をすべきかは君次第だということ。
このフレーズに関して、安っぽくないかと悩んでいたポール・マッカートニに
- このフレーズがいいんじゃないか
と後押ししたのはジョン・レノンであったという。
和訳した感想
ということで今回はBeatles(ビートルズ)の
- Hey Jude(ヘイ・ジュード)
の歌詞を和訳しました。
一般的には、ポール・マッカートニーがジョン・レノンの息子を励ますために作った曲といわれています。
が、背景を知らなければ「好きな女性に告白するように友人を促す応援ソング」だと思います。
何となく初期のポール・マッカートニーが書いた
の語り手に似ているものを感じますよね。
色々な解釈が可能な曲だとは思いますが、あえて普遍性をもたせてそれを可能にしてるのだと思います。
この曲はオノ・ヨーコに恋するジョン・レノンの背中を押す歌とも読めますよね。
ただジョン・レノンと離婚手続きをなすシンシアと息子ジュリアンの元に、唯一心配して訪問したビートルズ関係者はポールだった、という話もあります。
ポールが私の幸福を考えてくれて来てくれたのがわかって感動した。
[…]
さらに感動させられたのは、私に一本の赤いバラを渡して、冗談っぽく言ってくれたことだ。『どうだいシン、ぼくとお前、結婚したらどうなの?』
(シンシア著「素顔のジョン・レノン」)
ちなみに成長したジュリアンも、1984年にレコード・デビューしています。
父親に似てますね、デビュー当時とても話題になったそうです。
こんな曲もおすすめ
ビートルズの代表曲として知られる「イエスタデイ」も、ポールマッカートニーが単独で作詞作曲した楽曲です。
この曲は、10代の時に亡くなった母親を想って歌ったといわれています。
同じく「Let it be」もポール・マッカートニーの作詞作曲によるビートルズの代表作です。
この曲も、夢の中に現れた母親が自分に語り掛けた言葉から生まれたと語られています。